Kastellet &
Frederiks Kirke

星のカステレットと
大理石の教会

かつて、“商人の港” コペンハーゲンを守るためにつくられた星形の要塞カステレット。今では美しい緑の公園として、人々に愛されています。 星の散歩道を一周しながら、聖アルバニ教会や赤い風車、緑と海の景色を眺めるだけできっと、1日がとても幸せなものに変わります。
アンデルセンの人魚姫からアマリエンボー宮殿まで、この国の歴史とともにずっと、この景色と平和が守られてきたのです。

2010  Photo & Text_Scandinavian fika.

Frederiks Kirke

Kastellet & Frederiks Kirke

星のカステレット

空から見ると星の形をしているカステレット要塞〈Kastellet〉は、1662年にコペンハーゲン港の入口を守るためにつくられたそうです。砲台が飾ってあるけど、ほとんどのものが壊されてしまったということで、今は緑がきれいな星形の公園になっています。
「要塞」のイメージからは想像できないほど、静かで開放的で、堀の池の水面に映る景色が神秘的な聖アルバニ教会〈Skt. Albans Kirke〉は息をのむ美しさ。
観光客に混じって、星の散歩道をランニングしている人も多かった。ワークアウトしている姿が、また絵になること。晴れなら最高のお散歩コースです。

ゲフィオンの泉と北欧神話

4頭の雄牛と、女神の像。聖アルバニ教会近くにあるゲフィオンの泉〈Gefion springvandet〉です。北欧神話で、スウェーデン王に一晩で耕せるだけの土地を与えるといわれ、4人の息子を牛に変えて土地を耕させた伝説の女神ゲフィオン。その後得た土地が、現在のシェラン島といわれています。
ゲフィオンの泉は絶好の撮影ポイントなので観光客はぞろぞろ押し寄せてきて、何度シャッターを切っても、必ず知らない人が映ってしまうという状態に。しかも笑顔でカメラ目線。誰かが見たら、完全にお友達の写真です。

カステレット要塞のゲフィオンの泉へは、王立図書館から水上バス902に乗って、終点の〈Nordre Toldbod〉で降りてすぐでした。ここから〈人魚姫の像〉まで歩いて7分くらいです。

チャーチルの葉巻

カステレット要塞の一帯は、チャーチル公園〈Churchillparken〉と名づけられています。第2次世界大戦で、ナチス・ドイツに占領されたデンマークを救ってくれた、イギリスへの感謝の気持ちの表れ。入口に建つイギリス元首相のウインストン・チャーチルの像は、なぜか下を向いています。なんでも、うっかりトレードマークの葉巻を落としてしまい、慌てて探している最中の顔の銅像だとか。本当なんでしょうか?
近郊列車エストーに乗って行くなら、オスタポート〈Østerport〉駅で降りて徒歩15分くらい。カステレットは公園なので日曜日も開いています。

リトル・マーメイドはどこへ?

おとぎの国デンマークの象徴、1913年に彫刻家エドワード・エッセンによってくつられた人魚姫の像〈Den lille Havfrue〉。人魚姫なのに、腰から下が魚ではではありません。足首あたりからヒレの形になっています。理由は、モデルの足があまりに美しかったため、という説が……リトル・マーメイドのモデルは王立劇場のプリマドンナで、のちに彫刻家の夫人になったそうです。
コペンハーゲンの人魚姫の像は、シンガポールのマーライオン、ブリュッセルの小便小僧と並んで、「世界三大ガッカリの名所」として知られています。どんなガッカリが待ち受けているのかと、逆に楽しみにしていたら……なんと、人魚姫がいない! 像がない!! 上海万博へ、初の海外出張に出かけたそうです。大型モニターに、上海の人魚姫がリアルタイム映像で映し出されていました。今回も期待を裏切らないガッカリ度でした!

アマリエンボー宮殿の衛兵交代式

デンマーク王室の宝物が見られるアマリエンボー宮殿〈Amalienborg〉。1794年にクリスチャンスボー城〈Christiansborg Slot〉で火災があり、以来、王室のお城としてつかわれているのだとか。今も女王様が住んでいて、宮殿にいらっしゃるときは屋根に旗が掲げられるそうです。宮殿は大きく4つに分かれて、クリスチャン8世王宮殿 〈Christian VIII's palæ〉は宝物展示室として一般公開されています。
ロココ様式の建築も興味深いけど、ここでのお目当てはなんといっても衛兵交代式! クマの毛皮の帽子をかぶった衛兵の華麗な交代式が、毎日正午に見れます。そして、勇ましい衛兵は凛々しい男性が多い!かなりの女性観光客に激写されていました。なんだか、とってもひらかれた宮殿です。

大理石の教会 フレデリクス

アマリエンボー宮殿の向かいにあるフレデリクス教会〈Frederiks Kirke〉。その大きさと存在感に圧倒されます。高価なノルウェー産の大理石を用いたロマネスク・バロック様式の教会で、大理石教会 〈Marmorkirken〉と呼ばれているとか。 教会内は聖堂を見学できるだけでなく、ガイドツアーに参加すればドームの頂上にも登れるそうです。周辺には、哲学者のキルケゴールなど12体の銅像が建ってます。

教会前のBredgade通りを、カステレット要塞の方向に進んで行くと、デンマーク工芸博物館〈現デザインミュージアム / Designmuseum Danmark〉の入口があります。この通りはアンティークショップやショールームが多く並んでいるのおすすめです。

Kastellet

Copenhagen|Denmark

カステレット要塞

アクセス
ニューハウンから北東へ
徒歩約15分。
または水上バス902に乗って
終点〈Nordre Toldbod〉駅で下車。

Visit Copenhagen
visitcopenhagen.com

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