Stockholms Stadsbibliotek

ストックホルム市立図書館

アスプルンドをめぐる旅 1

ストックホルム地下鉄中央駅 T-セントラーレン〈T-CENTRALEN〉からメトロに乗って、ロードマンスガータン〈Rådmansgatan〉駅を出ると、天文台のある小高い丘の公園が広がり、オレンジ色の丸い筒のカタチをした建物が見えてきます。
エジプトの門のような入口の細い階段を上がると、北欧雑誌を広げるたびにいつもときめいていた、あの壮大な本のパノラマが!
ストックホルム市立図書館〈Stockholms Stadsbibliotek〉を設計したのは、モダン建築の巨匠エリック・グンナール・アスプルンド〈Erik Gunnar Asplund〉
北欧にモダニズムをもたらしたといわれる、アスプルンドのデザインに酔いしれました。

2010 Photo & Text_Scandinavian fika.

Stockholms Stadsbibliotek

グンナール・アスプルンド設計

ストックホルム市立図書館〈Stockholms Stadsbibliotek〉は、オレンジ色の円形ホールと周りを囲むキューブ形のフロアでできていて、シルエットがユニークで愛着がわきます。スヴェア通りから公園の池を通って、エントランスの階段をのぼると……感動。素晴らしすぎます。こんなところで本を読み、何か学べたらどんなに幸せだろう。

吹き抜けのエントランスホールは360度本に囲まれた圧巻の大パノラマ! 天井から自然光が差し込み、乳白色の壁のテクスチャーの凹凸が良い感じで、館内はとても明るいです。真ん中にぶら下がった丸い大きな照明は存在感あり。インフォメーションデスクの女性はとてもフレンドリーで、日本よりもずっとオープンな印象を受けました。これぞ、ひらかれた空間。みんなに愛されるわけです。

美しい本棚

3階まである円形ホールの書架。壁にぎっしり詰まった書籍は、国別、分野別に分かれていて、1週すると次の階の階段につながっています。もう、ぐるりと一周まわるだけで楽しい。いろんな雑誌で紹介されていたどの写真よりも、生で見たこの図書館は美しかった。だっての本棚が琥珀色に光り輝いているんですよ! ここには、写真では写らない、本が持つ不思議な「力」があふれています。

勉強部屋と、こども部屋

円形ホールの東西南北には、専門書の部屋へとつながる入口があります。勉強部屋にはアスプルンドがデザインした椅子やアートがあり、ここでみんな読書にふけります。うらやましい!奥には「ムーミン」など、童話がいっぱいのこども部屋も。
白いガチョウにのった小さな男の子の飾りを見つけ、スタッフに「あれは、ニルス?」と訪ねると「Ja!(そうよ!)」と微笑んでくれました。
小さいころ、大好きだったスウェーデンの童話『二ルスのふしぎな旅〈Nils Holgerssons〉』は、今も自分にとって大切な本です。

天文台公園から街を一望

市立図書館がある丘の上には天文台があって、ストックホルムの街を一望できます。芝の上で学生たちが寝転びながら勉強していたり、池の水に素足をひたして涼んでいたり、図書館の中だけでなく、公園は市民の憩いの広場になっています。
ストックホルム市立図書館へは地下鉄のグリーンラインに乗ってロードマンスガータン〈Rådmansgatan〉駅かウーデンプラーン〈Odenplan〉駅で下車、歩いてすぐ。オデン通り沿いの裏口からも入館できるとか。
このメインストリートはお店も多く、近くにはアンティークショップが並ぶウップランズ通り〈Upplandsgatan〉があります。北欧ヴィンテージが豊富なバッカス・アンティーク〈Bacchus Antik〉も歩いていけます。

Stockholms Stadsbibliotek

Stockholm|Sweden

ストックホルム市立図書館

アクセス
ストックホルム地下鉄中央駅〈T-Centralen〉から
グリーンラインに乗って約5分。
〈Rådmansgatan〉駅または
〈Odenplan〉駅で下車。

biblioteket.stockholm.se

Skogskyrkogården

世界遺産
アスプルンドの森の十字架

アスプルンドをめぐる旅 2
「森の墓地」へ


NEXT STORY

RELATED STORIES