ラブラドールとクリスマスローズ|犬の手作りごはんと、クリスマスローズの庭と、ほのぼの日より|ラブラドール手作りご飯レシピ|Labrador and Christmas rose|北欧フィーカ

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ラブラドールとクリスマスローズ

6

2009

あんなに元気だったイングマルの身体が……
何がどうなっちゃったの?
出口の見えない体調不良にどうしていいのかオロオロするばかり。

イングマル

9歳~10歳

突然のことだった。耳血腫と言われた。水が溜まったように、イングマルの耳がブヨブヨ膨らんでいる。水を抜いてもらったり、注射をしたりするものの、一週間ぐらい経つとまた同様になる。次第に一週間ももたず、加速していった。抗ヒスタミン剤やステロイド、抗生物質のせいかどうか解らないが、当然元気もなく、身体がふらつき、手、足、腹の皮膚がドス黒くなってきた。

そんな状態が2ヶ月以上も続いていた。
イングマルの体調が崩れ出したのは、ほんとうは突然ではなかったのかもしれない。1年くらい前から生理不順があったり、慢性的にアゴや陰部等に腫れや湿疹が出たり、ときどき酷い下痢もあった。
アレルギーと診断され、それまで食べてた一般的なドッグフードからアレルギー用のものに替えた。

相変わらず耳の腫れは繰り返し、重く垂れ下がっていた。耳毛もゴワゴワになり、どんどん抜けてゆく。そこだけ生毛のように柔らかだったあの耳に、もう二度と触ることが出来ないのだろうか。

 

その日、いつもの耳血腫の注射をしてもらい、ついでに狂犬病予防の注射も打った。帰り途中では特に変わった様子はなかったのに、しかし、家の中に入ったとたん転げ回った。ビックリしたがまたいつものように大はしゃぎかと勘違い…、でも変だ。イングマルの身体のあっちこっちがブクブク膨れ上がっていく。目のまわり、口のまわり、腹のまわり、身体中が。アッという間に。痒いのか、身体を床に擦り付けながらのたうちまわる。見る見るうちに形相が変わって、まるで断末魔のごとく苦しんでいる。恐ろしくて、恐ろしくて。
全身のジンマシンだった。
幸か不幸か、同時に打った耳血腫治療の注射が効いて、2時間後にジンマシンを止めてくれた。もしその注射を打ってなかったら死に至ったかもしれない、と獣医は言っていた。狂犬病注射によって弱った身体が反応し、ジンマシンが出たらしい。

ジンマシンは引いたものの、体調はますます悪くなっていく。下半身の毛は抜け、皮膚は黒く、鼻水を垂らし、常に寒いのかガタガタと震え、腹も垂れ下がり、歩くのがやっとだった。それなのに体重だけは増えていくので、ドッグフードの量を減らした。
アレルギーに加え、甲状腺もかなり低下していた。治療指示どうりちゃんと従いながらも、先の見えない不安でいっぱいだった。

頭の中がグチャグチャになりながら、犬の病気の本を何冊か読んで気付いたことがある。
まず、イングマルは避妊手術をしていない、出産もしていない、そうした犬の方が年齢とともにホルモンバランスが崩れやすいとか。また、「ドッグフードはインスタント食品です。人間と同じでバランスの良い手作り食が病を治す」といった内容が書かれたものがあり、そうだそうだ、そうかも知れないと思った。
今のイングマルに避妊手術は出来ないか? 手作り食を少し加えてもいいか? 獣医に聞いてみた。が、どちらもこの身体状況では無理だと言われた。
確かに素人考えじゃあ駄目だろうなと思いつつも、なかなか頭から離れない。日々苦しむイングマルをただ見ているだけでは…。獣医には内緒で、昆布や煮干し、野菜の煮出し汁に本葛粉でとろみをつけて、恐る恐る飲ませてみた。

 

10歳の誕生日を過ぎた頃、甲状腺の薬が6錠から10錠に増えた。これ以上減らせられないくらい少量のドッグフードしか与えてないというのに、体重は増えるいっぽうで、本来25kg前後だったのが31kgになってしまった。
0歳から10歳まで診てもらった獣医の判断が間違っているとは思わない。だけど、私の、母親としての本能がどうしても納得できないのだ。アレルギーとか甲状腺低下症とかは結果であって、もっと別の何か……もっと根本的な原因が、問題が、イングマルの身体を侵しているのでは……。
このままでは死んでしまう!

迷っていた。他の動物病院で診てもらおう、かと。ただ、今までの細かな不調の変化や経過を、どう説明すればいいか、解ってもらえるだろうか、ちゃんと診てくれるだろうか。もし中途半端に診てもらい、やっぱり駄目となって、再度前の動物病院に行けるだろうか。治療途中で。
様々な不安や迷いが錯綜していた。でも、このままイングマルが死んでしまったら……、同じ後悔をするなら……。
ガムテープ手術をしてくれた、あの気むづかしそうな獣医を訪ねた。

 

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7、イングマル 10歳~11歳

薄皮を剥ぐように蘇っていくイングマル。
いよいよ犬の手作りごはん開始。

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