ラブラドールとクリスマスローズ|犬の手作りごはんと、クリスマスローズの庭と、ほのぼの日より|ラブラドール手作りご飯レシピ|Labrador and Christmas rose|北欧フィーカ

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ラブラドールとクリスマスローズ

9

2011~2012

平常心が戻ってきた。
ガーデニングや料理や手芸をするのも、無心になって楽しめる。

イングマル

11歳~12歳

イングマルは朝ごはんも夕ごはんも必ず1時間前には催促する。私の周りから離れないし、鼻でコンコン合図する。トイレまで付いてくる。かなりしつこい。
まあ、衰えることを知らない食欲に救われて今があるんだけどね。
ミカンの季節、私が食事の後に皮を剥いて食べることを予測しているし、あるいは熟睡していても皮の匂いで慌てて飛んでくる。薄皮を取って2~3カケ分けてやる。
そういえばカムパネルラもしつこかったなぁ。

 

イングマルの穏やかな時間が続いたので、ルバーブのジャムを作ってみたくなった。長野の方ではポピュラーなルバーブでも、私の地域ではまだあまり知られてはいない。以前から気になっていたのでインターネットで種を注文してみた。秋に種を蒔いたら芽は出たけど、冬になったら枯れちゃった?と、思ってたら春に成長し始めた。野菜用プランター3個の中で7~8本育ったけど、これだけじゃ足りないから赤い生ルバーブを取り寄せて早々ジャム作りにチャレンジ。思ってたよりも簡単に作れた。一晩砂糖につけて煮るだけだもん。いい匂い。
足下でうろちょろ邪魔をするイングマルには、庭で採れたブルーベリーで砂糖抜きジャムを作った。

ルバーブの苗                   フキのような茎
ラブラドールとクリスマスローズ
赤ルバーブのジャム。ステッカーを貼り、雑紙で蓋を被せ梱包用紙紐で縛った。
たくさん作ったので知人におすそ分け。

 

夏休みや冬休みに孫たちが泊まりに来ると、普段は空室の一階の和室に布団を敷く。するとイングマルが急いで来て、布団の上にドッカリ座り込んでしまう。自分の場所を確保すると、ぜったいに動かない、意地でも動かない。
夏場は、誰よりも先にヒンヤリしたシーツの上で真横になって足を伸ばし、つまり横向きの“大の字”みたいな。こっちは暑苦しくてたまったもんじゃない。
冬場は、上蒲団が人型になった股の間に埋れて爆睡。24kgの重さで身動きがとれずに、まるで呪縛霊に取り憑かれたかのごとく、孫がうなされていた。

 

庭の一角に蔦で覆われた塀があって、そこに低木のブルーベリーやサクランボが植えてある。実の成るものはほとんど鳥が先に食べてしまうけど、ブルーベリーだけはなんとか確保したいと思ってちょくちょく監視に行く。
実が青い時期だったのでブルーベリーの監視にまだ行ってなかったが、その日はイングマルと庭で遊びながらなんとなく木に触ってしまった。大変な事が起きた。木の揺れに反応して蔦の中から蜂が一斉に飛び出してきた。頭に襲いかかってくる。咄嗟の事でつい手で払いのける(やってはいけない行為らしい)。慌てて家に飛び込んだけど3匹は中まで入ってきてしまい3ヶ所刺された。すぐ病院に行ったので大事には至らなかったが、キイロスズメバチだった。蔦の中に直経20cm大の巣があった。一緒に逃げたイングマルが刺されなかったことが何より。
以前アシナガバチにも刺されたし、ムカデも毛虫も…、ガーデニングにはこんなリスクが付いてくる。花々の美しさとは裏腹に綺麗ごとだけでは済まされない、ということをターシャ・テューダーから学んだ。ターシャは素足で庭仕事をするけど、虫も蛇もいるだろうに。土の入れ替えとかにコガネムシの幼虫がゴロゴロ出てくるので、私は足で踏み潰す。ターシャはネズミを暖炉に放り込むとか。そんな殺生も数知れずだ。
なにをやったって好いことと嫌なことがついてくる。だけど春になって、庭中にクリスマスローズや他の花々が咲きほこるのを見ると、もう来春のイメージが膨らんで嫌なことなんか忘れちゃう。

ラブラドールとクリスマスローズ
  

 

30年以上も前のバンダナが何枚かあって、色褪せたり、破れたり、染みがあったり、なんだけど使えるところだけ切り取って、適当に布合わせしながらパッチワークにしてみた。古い布はくったり柔らかいので手縫いには丁度いい。一枚一枚眺めながら、弁当を包んだなぁ、首に巻いたなぁ、とか思い出いっぱい。

ラブラドールとクリスマスローズ
イングマルのグッズを入れたかごの上にパラリと掛けてみた。

 

イングマルが12歳の時、わが家をリフォームした。体調は安定しているとはいうものの不安が消えたわけではないし、リフォーム中のストレスを考えると気が気ではない。しかも真夏だったので悩んだ。間借りしたアパートに犬を連れては行けず。しかし、思い切って内緒で、一夜アパートに連れて行ったけど、一晩中落ち着くことなく眠らなかった。
やむなくリフォーム中の家の庭にある、あのビワの木の下の犬小屋に。元気いっぱいの時まで日中過ごしていた場所に、昼夜過ごさせることにした。
真夏だ、暑い。24時間、2台の扇風機を回し続け、小屋をぐるりと囲むようにヨシズを立てかけた。出来る限りの日陰を作ったが、それでも暑い。ひと夏を耐えられるだろうか。
熱中症予防は、人間の半分くらいの薄味にしたポカリスエットに香り付けとして煮干し2~3本を手で千切って入れたものを、午前午後に1回づつ飲ませた。
ある時は激しい台風もあって、雷や豪雨に曝されながら一夜をひとりぼっちで過ごした。どんなに恐かっただろう。
そんな夏も越えられた。

 

「最初うちに連れて来た時は、フラフラで駄目かもなぁと思ったけど、毛ヅヤもいいし、この歳にしては元気もいい、…たいした治療もしてないのによくここまで治ったよな」と、気むづかしい獣医がいつになく優しい言葉をかけてくれた。だからつい調子に乗って「後2~3年は生きられますかねぇ?」とつぶやいた途端、こう答えが返ってきた。
「必要以上の期待をしちゃいかん!明日の朝、死んでるってことがあるんだ。もうこの歳になったら何時どうなるかわからんぞ」
「はい!」肝に命じます、と心の中で誓った。

 

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イングマルと私の静かな静かな黄昏は、落ちる紅葉も幸せ色。こういう時間はう~んと大事にしたい。

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