Gamla Stan

ガムラ・スタンと
ストックホルム王宮

ストックホルム中央駅からヴァーサ橋〈Vasabron〉を渡って、南のスターズホルメン島〈Stadsholmen〉へ。そこは中世の面影が残るストックホルム発祥の地、ガムラ・スタン〈Gamla Stan〉。 ガムラ〈Gamla〉とは「古い」、 スタン〈Stan〉とは「街」という意味で、その名の通り、この地は13世紀に築かれたストックホルムの旧市街。
琥珀色に染まる石畳の小路を歩けば、たちまち中世にタイムトリップ!
目の前にはストックホルム最古の教会、大聖堂〈Storkyrkan〉が見えてきた。

2010,2019 Photo & Text_Scandinavian fika.

Storkyrkan

Gamla Stan

ストックホルム発祥の地

ストックホルムの旅で一番はじめに向かってほしいのは、ストックホルム発祥の地、ガムラ・スタン〈Gamla Stan〉。13世紀に築かれたストックホルムの旧市街ガムラ・スタンは、『魔女の宅急便』の舞台のモデルになった街としてもとても人気があります。
ガムラ・スタンにそびえる3つの高い塔は教会。スターズホルメン島に建つ、ストックホルム大聖堂〈Storkyrkan〉とドイツ教会〈Tyska kyrkan〉。小さなリッダーホルメン島に建つ、リッダーホルム教会〈Riddarholmskyrkan〉。 旧市街の古い建築群の狭間から見える、尖塔のシルエットが美しい。

Tyska kyrkan

ガムラ・スタンまで歩こう

ストックホルム中心地とガムラ・スタンの間に浮かぶ小さな島、ヘランズホルメン島には、20世紀の初めに建てられた石造りの重厚な建物、スウェーデン国会議事堂〈Riksdagshuset〉があります。
ガムラ・スタンへのおすすめコースは、ストックホルム中央駅〈Stockholm Central Station〉からまずセルゲル広場〈Sergels Torg〉まで歩いて、そこから南東へまっすぐ進み、スウェーデン国会議事堂の石の門をくぐって行くルート。橋を渡れば、旧市街ガムラ・スタンです。
石畳の小路はストックホルム大聖堂〈Storkyrkan〉やストックホルム王宮〈Kungliga Slottet〉、ノーベル博物館〈Nobelmuseet〉が建つストールトルゲット広場〈Stortorget〉、おみやげショップが並ぶヴェステルロングガータン通り〈Västerlånggatan〉へと続いています。
セルゲル広場から旧市街の中心のストールトルゲット広場まで徒歩15分〜20分くらい。地下鉄中央駅 T-セントラーレン〈 T-CENTRALEN 〉から地下鉄ガムラ・スタン〈Gamla Stan〉駅まではわずか1駅ですが、歩いてゆくことをおすすめします。だって、歩いて見える景色が最高だから!

もうひとつ、ストックホルム中央駅〈 Stockholm Central Station 〉からヴァーサ橋〈Vasabron〉を渡ってガムラ・スタンへ行く徒歩最短コースもあります。国会議事堂ルートの方が人気ですが、ヴァーサ橋ルートは、ガムラ・スタン大聖堂と旧市街の街並みが映える素晴らしい撮影ポイントがあります。
(行きと帰りで、コースを変えてみるのも良いかも)

石畳の小路と「魔女の宅急便」

旧市街ガムラ・スタンは、17世紀から18世紀の古い町並みがそのまま残され、網の目のように張り巡らされた細い路地が魅力です。この石畳の小路を一歩一歩踏みしめるだけで、歴史の深さが伝わってきます。
北欧の低い太陽の光が射し込むと、旧市街の路地は琥珀色に染まります。石畳に映る、中世の建物の影がきれい。古い映画のようなノスタルジックな路地裏。わたしたちは路地裏に迷い込んだ猫みたい。
石畳の小路の向こうから、キキが箒に乗って飛んできそう。大聖堂も『魔女の宅急便』の時計塔に見えてきた。

Kaffekoppen

ストールトルゲット広場

ガムラ・スタンの中央部にあるストールトルゲット広場〈Stortorget〉には、カラフルな色えんぴつのような可愛い建物が並び、人気のカフェ・コッペン〈Kaffekoppen〉 のテラスでは、みんなオープンサンドをほおばったり、コーヒーやケーキでフィーカ〈FIKA〉しています。
人で賑わうストールトルゲット広場では、毎年11月中旬になるとガムラ・スタンのクリスマスマーケットが開催されます。小さな明かりがともるマーケットの屋台には、スウェーデンの伝統工芸品やおみやげやお菓子が並び、スウェーデンのクリスマス、ユール〈jul〉が味わえます。

©︎Nobelmuseet

ノーベル博物館

ストールトルゲット広場にはストックホルム証券取引所や、18世紀に建てられたノーベル博物館〈Nobelmuseet〉があります。ダイナマイトを発明したスウェーデン人発明家 アルフレッド・ノーベル〈Alfred Bernhard Nobel〉の遺言によって生まれたというノーベル賞。ノーベル博物館は、偉大な功績を残した歴代のノーベル賞受賞者やノーベル賞の歴史、創立者であるアルフレッド・ノーベルについて知ることができます。
ノーベル博物館も見所いっぱいですが、ミュージアムカフェ・ビストロノーベル〈Bistro Nobel〉がおすすめ!なんと、ノーベル賞授賞式の晩餐会で出される金のメダルがのった絶品アイスクリーム「ノーベルアイス 〈Nobel glass〉」が食べられます!(ちなみに、このノーベル賞メダルはチョコレート。ミュージアムショップで購入できるので、おみやげに人気です)
ノーベルアイスを食べたあとは、座っていたカフェの椅子の裏をのぞいてみましょう。歴代のノーベル賞受賞者の記念のサインが入っています!
(※博物館内のビストロノーベルは、カフェのみの利用もできます) 

大きな栗の木の下

迷路のような石畳の小路を抜けると、突然、映画のワンシーンのようなパティオ(中庭)があらわれます。大きな栗の木の下のこもれび。黄色やオレンジの長細い建物のあいだを、みどりのツタがアーチのようにはって、スウェーデン国旗がひらひらと揺らめいています。ここだけ、時が止まったような静寂……ここはいったい何?
とてもフォトジェニックなこの場所は、ブレンダ トムテン〈Brända tomten〉という小さな広場。 大きな栗の木の下には、「栗の木の下」という名のカフェ 〈Under Kastanjen〉があります。ガムラ・スタンを何度訪れても、ここだけは必ず行って、栗の木の広場の写真を撮ります。ここに来るまでに毎回迷うけど、路地裏がハッとひらけて、「栗の木の下」を見つけた時の感激がいつも胸に響くのです。

Brända tomten
Mårten Trotzigs Gränd

ストックホルムでいちばん細い路地

趣のある中世の建物に、ストックホルム最古の教会……ガムラ・スタンはきっと、ひっそりと人が行き交う静かな場所なんだろうと想像していたら、とんでもない! 避暑地というだけあって観光客がいるいる!どこへ行っても、人!人!人!
狭い路地を自転車がビュンビュン走るし、カフェやショップが軒を連ねるヴェステルロングガータン通り〈Vasterlanggatan〉の観光客の賑わいは、京都の清水寺と変わりません。
ストックホルムでいちばん細い路地、幅90cmのモーテン・トローツィグ・グレン通り〈Mårten Trotzigs Gränd〉も順番待ちの人であふれてました!

ストックホルム王宮

スターズホルメン島の一角に建つストックホルム王宮〈Kungliga slottet〉。ガムラ・スタン観光の中でも必見なのが、王宮の中庭で行われる衛兵交代式! 勇ましい衛兵の華やかなパレードは、早めに場所取りをしないと大勢の人で見えないほど人気!半月形ウイングの建物が建つ王宮の広場で毎日開催されています。

13世紀に築かれたトレー・クローノル城〈Tre Kronor〉は17世紀に火災で焼失し、18世紀につくられたバロック様式の王宮が今も残っています。ストックホルム宮殿内には609室の部屋あり、王室御用達の部屋も見学できるそう。

Slottskyrkan

ロイヤルウエディング

1754年に完成した王宮礼拝堂〈Slottskyrkan〉はフランスロココ様式の美しい装飾が施された神聖な礼拝堂。ここで、ロイヤルウエディングも行われます。

スウェーデンのロイヤルウエディングといえば、スウェーデンの次期国王であるヴィクトリア王女(ヴィクトリア皇太子)とダニエル王子の結婚までのエピソードには心打たれました。
(『カエルの王子様』の愛の物語に感激!)
お二人がストックホルム大聖堂でロイヤルウェディングを挙げられたのは 2010年。わたしが初めてスウェーデンを旅した記念の年です。

Gamla Stan

Stockholm|Sweden

ガムラ・スタン

アクセス
ストックホルム中央駅〈Stockholm Central Station〉
からガムラ・スタンの入口、
ストックホルム王宮まで徒歩約15分〜20分。

Visit Stockholm
www.visitstockholm.com

Stadshuset

ストックホルム市庁舎の塔

ストックホルムのシンボル
高さ106mの展望塔


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