Helsingin rautatieasema
ヘルシンキ中央駅から、
トラムに乗って
ヘルシンキ中央駅にそびえる時計塔と、白く輝くヘルシンキ大聖堂。想像していたよりもずっとモダンな街並。行き交う人びとが乗り込んでいるのは、あのグリーンとクリーム色のトラム。
街の中を縫うように走るかわいい路面電車の乗れば、どこへだって行くことができる。ヘルシンキを8の字でぐるりと一周。ハカニエミにも、アラビアファクトリーにも、アアルト・ハウスにもつながっている。
中央駅から出発進行! ゆったりのんびり。トラムに乗ってどこまでも。
2013 Photo & Text_Scandinavian fika.
Helsingin rautatieasema
ヘルシンキへようこそ
1952年夏開催のヘルシンキ・オリンピックから、「効率的で親しみやすい都市」という国際的な評価を得るようになったというヘルシンキ〈Helsinki〉。2000年には「ヨーロッパの文化都市」のひとつに選ばれ、2012年には「世界デザイン都市」として「ワールド・デザイン・キャピタル〈WDC〉ヘルシンキ2012」を開催しました。
バルト海に面したフィンランドの首都は、誰もがうっとりするほど美しいモダンな都市。他の北欧の都市と比べても小さな街だけれど、それがまたヘルシンキの魅力でもあります。はじめての旅行者でも、いつもの道を歩くように、思いのままに旅を楽しめるのです。
市内のバスターミナルにもなっている中央駅前広場、ラウタティエントリ〈Rautatientori〉。旅のはじまりはここから。ヘルシンキへようこそ!
ヘルシンキ中央駅
エリエル・サーリネン〈Eliel Saarinen〉が設計し、1919年に完成したヘルシンキ中央駅〈Helsingin rautatieasema〉は高さ48.5mの時計塔が印象的。駅の外装はフィンランド産の花崗岩で造られていて、アーチ型の正面入口には左右2体づつ、ランプを持った像が鎮座しています。 中に入ると、アーチ型の窓から琥珀色の光が差し込んで、駅舎と人のシルエットがとてもきれいでした。
トラムで目的地へ向かう前に、まずはキオスクでヘルシンキ交通局〈HSL〉が運営する公共交通機関(トラム、市バス、地下鉄、フェリー)が乗り放題になるデイチケット3日券(€14)を購入(※購入時にパスポートが必要)
アップルグリーンのデイチケットは、日本のスイカのようなカードで、トラムに乗り込んでリーダーにピッとやります。もし美術館・博物館めぐりをするのならヘルシンキカードもお得。
ヘルシンキのデイカードは帰国後もとっておきたくなるような、かわいいカードです。
トラムに乗って出かけよう
ヘルシンキの街を思い浮かべるとき、いちばん最初に浮かんでくるのは、あのグリーンのトラム。レトロな路面電車が美しい街を通り抜けていく様子は、ヘルシンキの風景の一部となって焼きついています。
中央駅ラウタティエアセマ〈Rautatieasema〉から、ほとんどのエリアへつながっているトラム。観光に便利な路線2番、3番トラムは、市内を8の字に一周するから安心。迷っても必ず中央駅に戻ってきます。ちょっと遠出して、アラビアファクトリーに出かけるなら6番トラム。北欧デザインめぐりでアアルト自邸を訪れるなら4番トラム。
・ヘルシンキ トラム路線図〈HSL〉
新型のトラムも快適だけど、やっぱりトラムはレトロな感じが好きだなあ。夏の間だけ走る赤いトラム。車内がパブになったバートラムも楽しそう。 市民に愛されている乗りものだからこそ、街の景色のひとつとなって映るのです。
アテネウム美術館
フィンランド・ナショナル・ギャラリーとして1888年に開館。18世紀から1960年代にかけてのフィンランドアートを中心に、2万点以上に及ぶコレクションを収蔵している国内最大の美術館、アテネウム美術館〈Ateneumin taidemuseo〉。コレクションのハイライトは、フィンランドの黄金時代(1880年〜1890年)を代表する作品や、スカンジナビア、ヨーロッパ、ロシアの美術。歌川国貞や歌川広重などの日本の浮世絵も所蔵しているとか。「アテネウム」とは、古代ギリシアのアテネ神殿からつけられたそう。
冬はアテネウム美術館の前の広場はスケートリンクになるみたい。
アテネウム美術館の近くには、1914年創業の人気のベーカリー、カンニストンレイポモ〈Kanniston Leipomo〉があります。
キアズマ
ヘルシンキの街で異彩を放っているのが、1998年にオープンした国立現代美術館キアズマ〈Kiasma - Nykytaiteen museo〉。「光の建築家」と称されるアメリカ人のスティーブン・ホール〈Steven Holl〉によって設計されたキアズマは、その流れるような曲線状のフォルムが印象的。建物そのものがモダンアートといえるミュージアムの外観はガラスとメタルでつくられていて、直線と曲線が織り成す回廊には絵画、映像、オブジェなどの現代アートが展示されています。吹き抜けのエントランスの天井から差し込む自然光と、エキシビジョンの間を結ぶアプローチが美しい。
キアズマ前の広場には、若者がたくさん集まって、芝の上で輪になってしゃべったり、日の沈まない夏のヘルシンキの太陽をいっぱいに浴びていました。近未来的なミュージアムカフェ・キアズマも若い子に人気みたい。
【追記】ヘルシンキ中央図書館 Oodi
2018年12月に、中央駅前にヘルシンキ中央図書館 Oodi〈オーディ〉がオープンし、世界最高の図書館のひとつに選ばれました! ガラスとスチール、木でつくられた美しいうねりのあるデザインしては「すべての人のために」のコンセプトのもと、地元のアラ アーキテクツ〈ALA Architects〉建築事務所が設計しました。
図書館には、10万冊の所蔵を誇る「本の楽園」のほか、カフェ、映画館、展示場、イベントホール。仕事と学びのフロアには会議室やスタジオ、設備の整った工房などがあるそう。驚いたのはミシン、ゲーム、3Dプリンターの貸し出しもあって誰もが使えるのだとか!
こんな素晴らしい図書館で一日学べたら最高だなあ。つぎヘルシンキへ行くときはぜったい行きたい!
オレンジとブルーの水玉の郵便局
ヨーロッパでいち早く郵政民営化した国として知られるフィンランド。中央駅前には、オレンジとブルーのはじけるような水玉がかわいい中央郵便局ポスティ〈Posti〉があります。細長いポストも同じ色のオレンジとブルー。デンマークの赤いレトロなポストや、スウェーデンのライトブルーとイエローのポストもかわいかったけど、フィンランドやポップな水玉カラーは、それよりももっと郵便局が楽しくなる感じ。ポストカードや記念切手、ムーミンやマリメッコの限定小包用BOX、プチプチ封筒などグッズもいろいろあって、おみやげに選びに迷います。
Helsingin rautatieasema
Helsinki|Finland
ヘルシンキ中央駅
アクセス
鉄道のほか、トラムの中央駅にもなっている。
アテネウム美術館、国立現代美術館キアズマ、
ヘルシンキ中央図書館〈Oodi〉へは
中央駅から徒歩数分。
Visit Finland
www.visitfinland.com
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