Lund

スウェーデンの古都
ルンド

スコーネ・ルンドの旅

1000年以上の歴史を持つ南スウェーデンの古都ルンド〈Lund〉。12世紀半ばに建てられたルンド大聖堂〈 Lunds domkyrka〉がそびえる街の中心には、北欧屈指の名門 ルンド大学があります。中世の趣が残る街全体が、まるでルンド大学のキャンパスのような学園都市。
フレーデルの花の咲くころ、軽やかに、ルンドの緑の街を歩きます。

2019 Photo & Text_Scandinavian fika.

Lund

スウェーデンの古都 ルンド

南スウェーデンのスコーネ地方〈Skåne〉、スウェーデンの古都 ルンド〈Lund〉。 ルンドの歴史は深く、990年頃までさかのぼります。隣国のデンマークのバイキング王がやってきて教会を建てのが、ルンドの街の始まりだとか。1658年まで、ルンドはデンマーク領土でした。 かつては「西の都 ロンドン」「東の都 ルンド」と称されるほど重要な都で、北欧の文化や宗教の中心地として繁栄したといいます。

この日は朝、ドラカモラン〈DRAKAMÖLLAN〉の宿を出て、スコーネ在住のメーリン美佐緒さんに車でルンドへ送ってもらいました。
11:30に特急列車 X2000に乗って約4時間半。ルンド駅〈Lund C〉からストックホルム中央駅〈Stockholm Central Station〉へ向かいます。
ルンドでの滞在時間はわずか2時間ほどでしたが、メーリンさんのガイドおかげで「ルンド大聖堂」と「ルンド大学」の見所を案内してもらいました。
ルンドの街を訪れるのは初めてだけれど、日本でも「ルンド」の地名はよく耳にします。この町には有名なルンド大学があって、日本からの留学生も多いそう。 それからこの街のシンボル、12世紀半ばに建てられたルンド大聖堂も見てみたい!


ルンドはデンマークのコペンハーゲン〈Copenhagen / København H〉からも気軽に日帰り観光することができます。コペンハーゲン中央駅からルンド中央駅までは、オーレスン海峡を渡って国境を越える オーレスン鉄道 Öresundståg / Øresundstog(オーレスントーグ)か、スコーネ交通局 Skånetrafiken(スコーネトラフィーケン)の電車 Pgatågen(ポーガトーグ)に乗って約1時間。
(※国境越えには、パスポートの提示が必要です。車内チェックがあります)
スウェーデン第三の都市マルメ〈Malmö 〉中央駅からルンドまでは電車で約15分。日帰りでマルメとルンド、2つの街めぐりも良いかも。

ルンド大学

1666年に創立したルンド大学〈Lunds universitet / Lund University〉は北欧屈指の名門大学(世界トップ100の大学です!)。ルンド大学には4万人の学生が通い、ルンドの街は人口の約4割が学生と学校関係者という学園都市。ルンド駅から中世の趣が残る街並み歩いていたら、いつのまにか大学のキャンパスに潜り込んでいました。
ルンド大学の敷地は広く、庭園のように緑が美しい。噴水広場に建つ白亜のお城のような建物がルンド大学の本部。他にも、夏の木漏れ日を浴びた煉瓦造りの建築がいくつも、長い歴史を物語るようにたたずんでいました。
ルンドは学生の街。その一言ではとても伝えられないくらい、「街」と「大学」が融合し、自然と溶け合っています。キャンパスライフを送る学生でもないのに、ぶらぶら散歩してるだけで、こんな晴れやかな気持ちになるだなんて!

赤煉瓦の壁に緑のツタがはうルンド大学の図書館も圧巻でした!正面の入り口から今日も、学びの戸を開く若い学生の姿が見えます。ルンド大学図書館には約400万冊の本が所蔵されているそう。一生をかけても学びきれないほどの書がここにはあり、知の泉で花ひらく、若き才能がこの街に力を与えています。
こんな素敵な街で暮らし、学べる人たちは、なんて幸せなんだろう。

フレーデルの花

ルンド大学のキャンパスを歩いていたら、歴史ある建築物の影にひっそり咲く白い花を見つけました。白い星のような小さな花が房になって集まって、可愛いらしく咲いています。それは「フレーデルの花です」とメーリンさんが教えてくれました。
6月〜7月のスウェーデンで咲く野の花「フレーデル」は、エルダーフラワー(Elderflower)のこと。スウェーデン語では Fläderblommor(フレーデルブロンムル)と呼ばれています。甘いフルーティーな香りが人気で、昔からハーブや薬としても使われてきました。
フレーデルの花のサフト(シロップジュース)は、夏のスウェーデンの味。水や炭酸水で割ったジュースを飲むと、花の香りが口の中でふわっと広がって、とってもさわやか。

ルンド大聖堂

ルンド大学図書館の南に広がる公園の木立の向こうに、重厚な石造りの2つの塔が見えます。 1145年に建てられた北欧最大規模のロマネスク様式の教会、ルンド大聖堂〈 Lunds domkyrka〉。両脇には55メートルの2本の塔がそびえ、石造りの外壁は深い歴史の中で時を重ねるように黒ずんでいます。
かつてデンマーク領だったことからか、この日はスウェーデン国旗だけではなく、デンマーク国旗もはためいていました。

神聖な大聖堂の中に足を踏み入れると、リブ・ヴォールト(Rib vault)と呼ばれる天井のアーチが施された祭壇が神々しく輝いていました。

ルンド大聖堂の地下には、巨人の伝説が残されています。
古の昔、伝説の巨人 フィン(Finn)が腹を立てて、ルンド大聖堂を破壊しようとしました。でも、教会の地下の柱を壊そうとしたその時、柱にしがみついたまま巨人は石にされてしまったそうです。
大聖堂の地下礼拝所には、石になった巨人フィンの柱を見ることができます。

14世紀の天文時計

ルンド大聖堂の中には、14世紀に作られた巨大な天文時計があります。今も確かな時を刻んでいる天文時計は、24時間の時間帯、月の位置や満ち欠け、星座、太陽が沈む位置などが分かるようになっています。
実はこの巨大な天文時計にはカラクリがあって、毎日12時と15時に仕掛けが動き出します。讃美歌のオルガンが響き、赤子のキリストを抱くマリア様の周りを聖人たちが行進するそう。

時間がなくてゆっくり周れなかったけど、ルンド大聖堂の前の教会通り〈Kyrkogatan〉や 野外博物館 クルトゥーレン〈Kulturen〉も素敵みたい。

ルンドからストックホルムへ

出発の時間。スコーネの旅(ドラカモラン、イースタ、ルンド)を最高のものにしてくれたメーリンさんに感謝!ホームでお別れをして、ルンド駅 11:25発の SJ(スウェーデン国鉄)の特急列車〈SJ Snabbtåg X2000〉に乗り込みます。
南スウェーデンのスコーネ地方を離れ、特急列車 X2000 に揺られ4時間半。ルンド駅〈Lund C〉からストックホルム中央駅〈Stockholm Central Station〉へ出発します。
長旅ですが、乗り換えなしの1本。特急列車の座席(2等クラス)も広くて快適。全然苦になりません。
隣に座った編み物好きのおばあちゃんが話しかけてきてくれたので、ずっと話してたらすぐに時間が経ってしまいました (片言の英語なのに、なぜか楽しく会話できた)

途中、リンショーピン〈Linköping〉の駅でおばあちゃんを見送ったあと、ストックホルムまでに着くまでの間、ふっと眠りに落ちてしまいました。
車窓から流れる景色のように、南スウェーデンの美しい風景が頭の中を巡ります。
夢の中で、また、スコーネを旅して。

Lund

Skåne|Sweden

ルンド

アクセス
デンマーク・コペンハーゲンから
南スウェーデン・スコーネ鉄道に乗って約1時間。
ルンド〈Lund C〉駅で下車。
マルメ〈Malmö C〉駅から電車で約15分。

ルンド大学
lunduniversity.lu.se

ルンド大聖堂
lundsdomkyrka.se

Welcome to Stockholm

水の都、
ストックホルムへ ようこそ

北欧最大の都市
ストックホルム


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