ラブラドールとクリスマスローズ|犬の手作りごはんと、クリスマスローズの庭と、ほのぼの日より|ラブラドール手作りご飯レシピ|Labrador and Christmas rose|北欧フィーカ

ラブラドールとクリスマスローズ|犬の手作りごはんと、クリスマスローズの庭と、ほのぼの日より|ラブラドール手作りご飯レシピ|Labrador and Christmas rose|北欧フィーカ

ラブラドールとクリスマスローズ

4

2002~2004

ハチャメチャすぎるイングマルにてんやわんや。
こぼれ種のリレーが止まらないクリスマスローズ。 

イングマル

2歳~4歳

イングマルはかなりの美犬だと思う。親の欲目?だけど何度か他所の人からもそう言われた。
ホワイトの毛色に、目、鼻、口のまわりがくっきり黒いので、白い中の黒が印象的だ。身体のバランスもいい。この頃は体調管理もちゃんと出来てたと思う。
朝の散歩は家の周りを20分程度するだけだけど、夕方は田んぼや森や農村の中を1時間くらい歩く。左右にシッポをふりふりしながら、リズミカルな小走り。こっちが油断していると、すぐグイグイと引っぱって前に出ようとした。そのおかげで、早歩きに馴れて気持ちいい。
田植えどきの水田に夕陽が映えてたり、紅葉して森が色づいたり、木枯らしに吹き飛ばされそうになりながら必死に一本道を歩いたり、雨も雪も、夏の暑さも…、いつだって一緒に感じた。
芝生の庭では毎日ボール遊びをした。たいして広くはないので限度はあるけど、それでもおもいっきり走り回りながら私を遊ばせてやってるふう。

 

散歩中、柴犬を連れた男の人に話しかけられた。その人何を思ったのか、ワンワン威嚇する柴犬を強引にイングマルに近づけた。いきなりもいいとこ。エエッ!どうして? 私もイングマルもあまりの唐突さにポカーンとしてたら、その柴犬、イングマルの耳を噛んだ。「あれ、あれ~?」と、男の人。
「あれ、あれ~」じゃねえだろ!!  大丈夫、イングマル?耳から血が出てるじゃないの!
ハラワタが煮えくり返っている私にかまわず、イングマルときたらシッポを振ってニコニコ笑ってる。

 

自然と寄り添いながら暮らしたいと強く思ったのは90年代だ。心も身体も疲れてたんだと思う。バブルも終わり世の中全体がそうだったんだろう。
ターシャ・テューダー(Tasha Tudor)を知ったのはそんな頃、雑誌「LEE」の特集で。あの頃の「LEE」は、「大草原の小さな家」(ローラ・インガルス・ワイルダー Laura Ingalls Wilder)のような生活体験を絵に描いた グランマ・モーゼス(Anna Mary Robertson Moses)や、ナショナル・トラストで知られる「ピーターラビット」のビアトリクス・ポター(Helen Beatrix Potter)たちの特集があり、私はそれを切り抜いてとっていた。世の中はずいぶんと長い間、生産性や技術や知識を優先してきたのに、彼女たちは一切そういうものと無縁にちいさな世界で黙々と暮らしていた。もうすっかり忘れちゃてた幼なじみに突然出逢ったような、原色のない柔らかな懐かしさが蘇った。
余談だが80年代半ばから90年代にかけての「LEE」は、各分野のクリエーター達の生活提案とかに力を入れてたような気がする。名前を出せば切りが無いけど、例えば堀井和子さんの作るパンのセッティングの多くは、マリメッコのクロスでイッタラの皿とカップ、ガラスのコップに白い野バラ、だったような気がするけど…?とにかく品のいい提案だった。今でこそ「スローライフ」「ほっこりおうちごはん」「北欧の暮らし」とか流行っているが、そういうものの先駆けかも。
ターシャ・テューダーの本を取り寄せ、ため息しながら壮大な庭の写真にくぎ付けだった。絵本作家だからどのシーンも色づかいにはセンスがある。叶わぬ夢ではあっても、わが家の庭への空想はエスカレートするばかり。

ラブラドールとクリスマスローズ
大切なターシャ・テューダーの本
ラブラドールとクリスマスローズ ラブラドールとクリスマスローズ
70歳を過ぎてから絵を描きはじめたグランマ・モーゼス。
(写真下)「グランドマア・モーゼスのこころ」の1ページ。冬のメープル・シュガー園。
ラブラドールとクリスマスローズ
  

「ターシャ・テューダーの世界―ニューイングランドの四季」(1996年11月発行・文藝春秋)
「ターシャ・テューダーのガーデン」(1997年4月発行・文藝春秋)
「グランドマア・モーゼスのこころ」(1987年12月発行・文藝春秋)
「モーゼスおばあさんの絵の世界 〜田園生活100年の自伝〜」 (1991年6月発行・未来社)

 

誰かが玄関でピンポンすると、われ先にイングマルが飛んで行き、大はしゃぎが止まらない。セールスマンもびっくりだ。
たとえば、宅配の人。のっぴきならない用事以外、イングマルをおいて留守が出来ないので孫の所へ頻繁に物を送る。宅配の人が玄関で伝票確認をしている間、私の隣りで伏せをしてチラチラ両方の顔を伺いながら仲間入り。“おもてなし”のつもりか…?

 

夏にスイカを育てたけど、鉢に植えたから小さいのが2個しか出来なかった。でんすけスイカ。どう考えても美味そうとは思えず、1個をイングマルの前に転がしたら、最初は鼻でクンクン、しばらくしてチョイッと突き、そのうちサッカーボールのように遊び出した。
ミニトマトはちょいちょい盗み食いをするので、叱ると枝ごと引きちぎってくわえたまま一目散に逃げる。庭でミニトマトが実っている間は、それが日課のようになってしまった。
トマトのようにはいかない、だろうと思って少し目を離した隙に、スイカを割ってバクバク食べちゃってる。
次の日、下痢になった。

 

こぼれ種から育てたクリスマスローズを玄関側の庭に植えたので、ちょうど道を通る人たちの目線の高さに花が咲く。オリエンタリスが咲くのは2月だから、それまでを楽しむためにガーデンシクラメンを間に植えた。
その横の階段はニゲルの鉢植えを。ニゲルもこぼれ種を育てているが梅雨から夏に特に弱いので、オリエンタリスみたいには増やせられない。
雛壇(階段)に純白のニゲルだけを飾りたいけどまだ数が足りなくて、仕方なくブルーのビオラとかも置く。それでもニゲルは道ゆく人にちょくちょく褒められるのだ。

ラブラドールとクリスマスローズ
早春に眩しい純白のニゲル
ラブラドールとクリスマスローズ
白からだんだんピンクになる花びら

 

日中だけの外の犬小屋は、大きなビワの木の下にある。たいした手入れもしないので、ビワの実はなるが甘くはない。少し黄色味がかると、小屋の上でヒヨドリが一日中うるさくて仕方がない。突っついたビワの実がぽとぽと下に落ちると、これを待ってましたと言わんばかりにイングマルが食べるので、実が色づく前にある程度切ってしまうことにした。
それでも残ったビワの実は、皮を剥き、種を出し、これがなかなか面倒で爪も黒くなるけどそこは我慢して、大鍋で砂糖抜きのジャムを作る。煮沸消毒したビンに10個くらい作っただろうか。わが家では結構使いみちがあって、肉や魚を煮る時に入れるとコクが出るし、ジャムなら食べるときにハチミツやメープルシロップを加えればいい。

 

冬、カムパネルラの昼寝用に、Yチェアを窓際の陽あたりに置く。紙紐で編んだ座面を爪でカリカリ引っ掻くのが大好きだから、座布団をのせた。
寒い日だった。雪なんか滅多に降らないのに、その日は一日中しんしんと降り積もっていた。いつもの窓際でカムパネルラが寝て、すぐ横に私もYチェアを並べて座りパネルヒーターを寄せた。足下にはイングマルが寝ている。
冷たい雪をガラス一枚で遮ったところに、みんなでひと塊りになっているみたいだった。本を読んでた私までウツラウツラと眠気が襲ってきて、まるで私を含む3匹が寝ているよう。とすると私は、猫としての1匹なのか、犬としての1匹なのか…? まあ、どっちでもいいや。

ラブラドールとクリスマスローズ
雪化粧したクリスマスローズの葉
ラブラドールとクリスマスローズ ラブラドールとクリスマスローズ

 

                               >> つづきを読む

ラブラドールとクリスマスローズ

HOME

もくじ

ラブラドールとクリスマスローズ
「犬の手作りごはんと、クリスマスローズと、ほのぼの日より」

ラブラドールとクリスマスローズ

Next Page

5、イングマル 5歳~8歳

食べて、食べて、食べまくるイングマル。
さようなら、カムパネルラ。

ラブラドールとクリスマスローズ

Photo Gallery

フォトギャラリー

わが家のクリスマスローズ