ハンス・クリスチャン・アンデルセンの像が見守る優しいまなざしの先に、コペンハーゲンっ子の心のふるさととして愛される、おとぎの国の入口があります。
童話の中から飛び出したような「チボリ公園(Tivoli)」は1843年開園の世界最古のテーマパーク。 中央駅に隣接した85,000㎡の敷地には、観覧車やメリーゴーランド、ローラーコースター、野外劇場でパントマイムやコンサートなどのエンターテイメントを楽しむことができ、38のファーストフード&レストランがあります。
あのアンデルセンが童話の構想を練っていたというチボリ。光きらめく、おとぎの国へGo!
□写真左/ アンデルセンの像のまなざしの先には、もうひとつのチボリの入口が
1843年に開園したチボリ公園(Tivoli)は、時のデンマーク国王クリスチャン8世の臣下であったゲオ・カーステンセンが、市民のための娯楽施設をつくろうと考えたのがはじまりだとか。「階級の差別がなく、誰でも楽しめる場所」という、当時としてはとても先進的なコンセプトで、反発も強かったようです。でも、時代を超えた今では、大人から子供まで、世界中から人々から愛されるアミューズメントパークになりました。アメリカ人のウォルト・ディズニーがチボリを訪れ、「ディズニーランド」のモデルしたともいわれています。
チボリは遊園地ですが、ジェットコースターやフリーフォールなどの絶叫マシンばかりではありません。デンマークには四季があり、季節の花を楽しめるガーデンやオープンテラスがあるので、大人にもとても人気。特に夜のライトアップは幻想的できれい。昼間とはまた違ったムードある世界を堪能できます。日が長い夏は夜11時までオープンしていて、11月中旬から12月23日まで開催されるクリスマス市では、園内が1万個のイルミネーションで彩られます。北欧のクリスマスに魅せられるのも、また夢のよう。
園内にはたくさんのレストランがあり、観光客で賑わっています。中でも1874年に創業されたチボリ公園最古のレストラングロフテン(Grøften)は多くの人がおすすめ!と太鼓判を押す店で、デンマークの伝統料理が楽しめるそうです。スモーブローは一品 55~115DKK。(※写真は別のお店です。ごめんなさい!ブレブレでうまく撮れなかったので…)
チボリの外にも人気のコペンハーゲン・コーナーなど良いお店がたくさんありますが、イルミネーションの中でディナーを楽しめるチボリは最高! コペンハーゲンカードがあれば(入場無料なので)何度でも入れるし、ディナーはかなりお高いデンマークでも、ここはリーズナブル。オープンサンド1皿でもボリューム満点です!
チボリ公園にはおじいちゃんやおばあちゃんのカップルもたくさんいます。アトラクションではなく、公園のガーデンニングや景色を楽しんでいるのです。みんな子供の頃はここで遊んだんですねー。思い出話に花を咲かせて、テラスで食事をしたりお酒を飲んだり。
園内にはアジアゾーンもあって、チャイニーズのようなジャパニーズのような朱色の五重塔?が建ってました。ピーコック劇場ではパントマイムショーが人気だとか。コンサートホールではABBAのヒットナンバーでつづるミュージカル『マンマ・ミーア!』も上演してました。
そうそう、公園の真ん中にあるオープン・エア・ステージはものすごい人だった! 若い女の子のファンたちが「キャー!キャー!」騒いでて異様な熱気でした。きっとデンマークの人気ロックミュージシャンがライブをしていたのね。
これはいったい何というアトラクションなのかわかりませんが、不気味なピンクのタコであることに間違いありません。「ザ・ピンク・オクトパス」とかいうのかもね。8本のタコの足に乗ってぐるぐる回る、ディズニーランドなら「ダンボ」のような乗り物。ちびっこたちは長蛇の列でした。海賊船があったから、海で戦う大王タコなのか?「ダンボ」が人気なのはわかるけど、大王タコが人気なのは……!? かわいいブロンドの少女たちが、タコの足にからまれながら笑顔で振り回される様子が、シュールでおもしろかった。もしかしたら、ドイツのワールドカップ予言タコ・パウル君ように、みんなに愛されているのかも。
美しいコペンハーゲンの街を一望したいなら、方法は3つあります。1つ目、市庁舎の塔にのぼる。2つ目、ラディソンSASロイヤルホテルに泊まる。3つ目、チボリ公園の空中ブランコ・スターフライヤーに挑戦する! もう360度、見渡すかぎり絶景です。ただし、高所恐怖症の方にはおすすめできません。チボリのまわりを歩くだけで、空から絶叫が聞こえてきます。そして、フリーフォール。高さはスターフライヤーほどではないですが、絶叫MAXです。ただ、ストーン!と落ちるだけの恐ろしいアトラクション。一つ言えることは、「わー、楽しそう!」と盛り上がっても、あなたの体が時差ボケで重いなら、決してフリーフォールに挑んではいけないということ……。絶景が見たいなら、4つ目のラウンドタワー(Rundetarn)へ急げ!