北欧フィーカ|スウェーデン映画史上記録的大ヒット!「幸せなひとりぼっち」|北欧映画|Scandinavian fika.

デンマーク・スウェーデン・フィンランド、北欧デザインの旅。

スウェーデン映画史上記録的大ヒット!「幸せなひとりぼっち」

世界30カ国でベストセラーとなった フレドリック・バックマン原作小説の映画化
2015年のクリスマスにスウェーデンで公開されると、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を抑え、ボックスオフィスのトップに躍り出た「幸せなひとりぼっち」。5週連続1位の快挙。160万人を越える動員を記録し、スウェーデン映画史上歴代3位となる大ヒットを樹立。スウェーデンで国民の5人に1人が観た国民的映画に。口コミで評判が広がり、公開から5ヶ月を超える大ロングランになった。勢いはとどまるところを知らず、ドイツ、ノルウェー、韓国でもヒット。フランス、アメリカ、ギリシャなど世界17ヶ国での公開が決定している。

今や世界的人気作家となったフレドリック・バックマンが自身の父親をモチーフに描いた物語を映画化。
愛する妻を亡くした孤独な中年男オーヴェ。不器用な生き方しかできないオーヴェの姿は、時に笑いを呼び、観る人の心に寄り添う、珠玉のヒューマンドラマ。

2016年12月17日(土)新宿シネマカリテ&ヒューマントラストシネマ渋谷他 順次公開!
映画「幸せなひとりぼっち」公式サイト・予告編
(C)Tre Vänner Produktion AB. All rights reserved.

□ 配給・宣伝/ アンプラグド

EN MAN SOM HETER OVE

オーヴェ、59歳、ひとりぼっち。

2015年のクリスマスにスウェーデンで封切られるやいなや、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を抑え、興行成績1位にランクイン。その後、公開5ヶ月を越える大ロングランになっただけではなく、世界17ヶ国での公開も決定し、ドイツやノルウェー、韓国でもヒット。
そんな本作の主人公は、頑固な老年男・オーヴェ。いつも不機嫌で人付き合いの苦手な彼が、隣人一家と交流する姿を通して、「人は一人で生きられるのか」「人生とは何か」を問うヒューマンドラマ。自らの正義を貫く彼だからこそ迎えられた幸せな結末は、多くの観客の胸を打ち、スウェーデンのアカデミー賞と言われるゴールデン・ビートル賞で主演男優賞と観客賞をダブル受賞!北欧発の感動作がいよいよ日本に上陸します。

2016.11. update.

 

きみのおかげで 僕は幸せだった

愛する妻を亡くした孤独な中年男オーヴェ。
一人きりで生きる人生に希望を見出せず、墓参りの度に失意を募らせていた。
そんなある日、隣の家にパルヴァネ一家が引っ越してくる。車のバック駐車、病院への送迎、娘たちの子守‥‥‥困惑するオーヴェのことなどお構いなしに、次々と問題を持ち込むうっとおしい隣人とはケンカばかりの毎日を送っていたが、それはいつしか日課となり、かけがえのない友情となる。
そして、オーヴェの凍てついていた心は少しずつ溶きほぐされ、愛する妻との思い出を語り始めたのだった―――。

2016.11. update.

 

実は優しい? 不機嫌じいさん

主役のオーヴェを演じたのは、スウェーデンを代表する名優ロルフ・ラスゴード。スウェーデンのアカデミー賞と言われる最大の栄誉“ゴールデン・ビートル賞”の主演男優賞を93年に受賞し、16年に本作で2度目の受賞。
オーヴェの無口で無骨なキャラクターがスウェーデン人のツボをくすぐり、同賞の観客賞も受賞した。孤独や悲哀を感じさせつつ、ふとした時に微笑みを垣間見せるなど、巧みな演技が高く評価された。監督のハンネス・ホルムは、80年代から映画・テレビドラマなどの演出を手掛けるベテラン。映画専門サイトIMDbでも7.6点の高評価を得るなど、各国の映画祭でも観客賞を次々と受賞。

2016.11. update.


ハンネス・ホルム監督 インタビュー


まず日本公開について
2年前、スウェーデンの寒い部屋で脚本を執筆していたときに、日本で上映してもらえて来日までできるとわかっていたら、最高な気分で作業できたのにと思っています。来日できてうれしいです。日本はある意味、オーヴの故郷といってもいいのではないでしょうか。


映画化のきっかけについて
原作本はスウェーデンではベストセラーになった人気本で、あるプロデューサーから映画化できないかと相談されたのがきっかけでした。原作を映画にするのは好きではないし、難しい作業であることは予想できたので、最初は断ったんです。ただプロデューサーにどうしてもと頼まれて、最終的には承諾しました。いままでオリジナル脚本しか取り組んだことがなかったので、非常に苦労しましたし、予想通りの難しい作業でした。


ロケーションについて
こういう住宅街が実際にスウェーデンにはたくさんあります。60年代から70年代にかけて文化住宅として政府によって建てられたものです。いろんな場所にロケハンにいったのですが、オーヴェのような老人がどの住宅街にもあらわれて、警戒されてしまいました。最終的には、サーブの工場があった街の文化住宅で撮影することになり、色々なタイプのサーブをミュージアムから借りることができました。


本と脚本の違いについて
小説のファンは本の世界を気に入っているので、その期待に応えるのはなかなか難しいですね。なので原作に忠実な脚本は書きたくなかった。あくまで原作は原作で映画は映画というスタンスです。脚本で重要なのは、ストーリーを原作本から盗むことでした。要するにストーリーと抽出して再構成する。キャラクターについても同じです。本を1回読んだ後は、気にせずに作業するようにしました。ロルフはスウェーデンでも実力派として知られる名優で、あくまでコメディ役者ではなく演技力が優れた役者をキャスティングしたいと思っていました。たくさんの読者が本はコメディだと思っていたようですが、自分にとっては人生の話で真面目なドラマだと考えていました。

Hannes Holm

監督・脚本 ハンネス・ホルム

1962年スウェーデン生まれ。俳優としてキャリアをスタートさせ、81年に『Inter Rail』でデビュー。その後、TVシリーズにも出演し、出演、監督、脚本をこなしたコメディシリーズ「S*M*A*S*H」(90)で成功を収める。『One In a Million』(95)で長編監督としてデビュー。その後、スウェーデン映画史上興行成績ナンバー1となった『Adam & Eve』(97) など、多くのコメディ作品の脚本と演出を手がけ、マルティナ・ハーグ原作のベストセラーを映画化した『青空の背後』(10)は、トロント国際映画祭などで上映され、日本でも14年のスウェーデン映画祭で上映された。本作は、16年のゴールデン・ビートル賞で6部門にノミネートされ、観客賞など3部門を受賞した。

  


オーヴェ役のキャスティングについて
ロルフに役をオファーしたときは、彼は驚いていたようでした。演劇で有名だったからでしょう。自分はコメディの経験が豊富にあり、彼は主にドラマ俳優としての経験を持っていた。なので、現場ではうまくバランスがとれたと思います。他のキャストは数々のスクリーンテストやオーディションを経て決まりました。なかなか難しいプロセスでしたが、突然決まることもありました。パルヴァネ役のバハ―ルもそうでした。キャスティングが決まった時点で、みんな個性の強い役者ばかりだったので、そこまで演出しなくてもいいぐらいでした。
オーヴェの役はずっとロルフでいきたいと考えていました。結果としては賞をもらったりノミネートされたりでよかったと思います。作品の前半はカラーも抑えて、オーヴェのキャラクターにマッチするように気を配りました。後半はストーリーに沿ってカラーが華やかになっていく。撮影監督とはそういう戦略でした。


最も難しい場面は?

動物を使って撮影した経験はありますか? とてもデジタル処理を利用できるような予算はなかたので、本物の猫を使っています。マジックとオーランドという2匹の猫を使って撮影しています。オーランドは怠け者なので、寝たりしている動かない場面にはオーランド。歩いたりする場面にはアグレッシブなマジックと使い分けています。ただ見分けがつかなくなることもあって、ロルフに間違った猫を渡してしまったときもありました。でもいい演技してくれました。プロデューサーは猫を使いたくないと主張しましたが、映画では魅力の一つとなりました。


最も気に入った場面は?
パルヴァネとオーヴェがはじめて打ち解けたかと思ったら喧嘩別れしてしまう場面ですね。笑いがあって打ち解けたかと思ったら、パルヴァネがオーヴェの亡くなった妻のことを聞くと、すっかり気分が悪くなってしまう。喜びと悲しみを同時に表現できる場面が好きなので、悲劇をコメディの融合、そういうものを観客として観たいと思っています。


日本ではスウェーデンは社会福祉が進んでいる国だというイメージがありますが、映画の中でのような問題もあるのでしょうか?
白いシャツを着た連中のことだね。そう、スウェーデンでは確かに社会福祉という点ではすぐれていたけれども、かつては行政が管理していた事業を企業が引き継いでから、色々問題が起きてきている。介護において、利益を追求しはじめると当然問題がでてくる。映画で描かれているルネの状況は現実にあり得ることだと思う。そして正しくないことに対して、はっきりと態度を示すのがオーヴェで、そういう意味では彼はスウェーデンの典型的な男性とは言えないのかもしれない。スウェーデンではコミュニティと個人がぶつかるときがあるからね。

EN MAN SOM HETER OVE

幸せなひとりぼっち

監督・脚本:ハンネス・ホルム
出演:ロルフ・ラスゴード、バハー・パール、フィリップ・バーグ、アイダ・エングヴォル、カタリナ・ラッソン
原作:フレドリック・バックマン
:坂本あおい(ハヤカワ書房刊)
2015年 スウェーデン
原題:EN MAN SOM HETER OVE
日本語字幕:柏野文映
後援:スウェーデン大使館
配給・宣伝/ アンプラグド








今回の映画で大きなチャレンジは?
やはり原作本が好きなファンにいかに気に入ってもらえるかだったと思う。映画を観てから1週間後ぐらいに映画にはなかった原作の場面を思い出してもらえれば理想です。あの場面がなかったと気づかなかったということなので。ベストセラーの原作本の映画化は難しい。フィルムメーカーとしては愚かな挑戦だと思う。ほとんどにおいて失敗するからね。原作本のファンはすごくはっきりしたイメージを頭の中にもっているから難しいんだ。



日本のファンに一言。
ぜひ作品を観に来てください。人生についての映画で、コメディと悲劇をブレンドした作品です。主人公のオーヴェは日本人っぽいとことがあると思います。


日本の印象は?
すごく居心地がいい。スウェーデン人と日本人は似ているかもしれない。基本的には静かで謙虚。ここでも生きていける、そう思います。街もクリーンですね。


食べたい食べ物は?

寿司は好きだね。ヨーロッパでは食べれないものを食べたい。まだ何かわからないけど。最近までインドにいてお腹をこわしていたけれど、もう全快したので大丈夫。いろいろトライしたい。


影響された日本映画や文化は?
ヨーロッパで黒沢明監督は有名だね。どの作品も大好きです。あとは90年代の作品で「ワンダフルライフ」。死をテーマにした作品でとても気に入っている。死をテーマにすると生の要素が強く栄えてくるから、いいテーマだと思う。


日本にスウェーデンの文化を紹介するとしたら何を選びますか?
児童文学作家のアストリッド・リンドグレーンだね。なかでも「はるかな国の兄弟」は素晴らしい。みんなに読むように推薦したい。トーマス・アルフレッドソン監督で映画化されると聞いています。これも死がテーマになっています。

※映画の情報について

『幸せなひとりぼっち』の映画情報や予告編、上映劇場・スケジュールなどは、映画『幸せなひとりぼっち』公式サイトをご覧下さい。
http://hitori-movie.com
2016年12月17日(土)新宿シネマカリテ&ヒューマントラストシネマ渋谷他 順次公開!

Tack!!

今回、映画の配給・宣伝のアンプラグドさんよりお話をいただき、スウェーデン映画『幸せなひとりぼっち』のご紹介をさせていただくことになりました。とても光栄です。ありがとうございます!孤独な中年男オーヴェの、若き日の思い出。鉄道の車内で妻ソーニャと出会うシーンが大好きです。オーヴェ、59歳。決してひとりではなかった、幸せな人生の物語を、ぜひ皆さんにも観てほしい。