北欧フィーカ|フィンランド・ポルヴォーの旅|ポルヴォーの赤い倉庫と、ルーネベリタルト。|Scandinavian fika.

デンマーク・スウェーデン・フィンランド、北欧デザインの旅。

ポルヴォーの赤い倉庫と、ルーネベリタルト。

カンピ(Kamppi)からバスに乗って1時間。ヘルシンキから東へ約50kmに位置するポルヴォー(Porvoo)は、フィンランドに6つある中世の街の中で、トゥルク (Turku)に次ぐ第2の古都。
中世の面影を残す素朴で愛らしい石畳の旧市街と、丘の上にそびえる大聖堂。川岸には、ポルヴォーを象徴する赤い木造の倉庫群が並びます。

ヘルシンキから遠くの街へ、はじめての小旅行。
古都めぐりと、ルーネベリタルトの甘い誘惑。ポルヴォーの旅はパステル色。

 

□写真左/ 歴史的なポルヴォーの赤壁倉庫は、今ではショップやカフェにリノベーション

Porvoo

ポルヴォーの赤い倉庫

ソコス ホテル ヴァークナ(Original Sokos Hotel Vaakuna)から一望できるヘルシンキの街並み。街のあいだを縫うようにトラムが走り、中央駅からは遠くの街へ今日も列車が出発します。朝、ホテルの最上階で朝食をとりながらカンピ(Kamppi)の街を見ていたら、なぜだか突然遠くへ行きたくなりました。ヘルシンキを飛び出して、日帰りの小旅行。トラムでは行けない街の景色を見てみたい。シリアルたっぷりのヨーグルトとパンをほおばったら、バックとカメラを持って、さあ出発!
ヘルシンキから東へ約50km。およそ800年の歴史を持つポルヴォー(Porvoo)は、トゥルク(Turku)に次ぐフィンランド第2の古都。
ポルヴォーへ行くために、中央駅前から歩いてカンピへ向かいます。カンピ静寂の礼拝堂(Kampin kappeli)の前を通って、カンピショッピングセンター(Kamppi Center)にあるバスターミナルへ。長距離バスが発着する地下の窓口でチケットを買ったら、ポルヴォー行きのバスに乗りこみます(※ポルヴォー行きのバスは1時間に5本くらい出ています)
バスに揺られること約1時間。フィンランド湾へとつづくポルヴォー川の川岸に、ポルヴォーのシンボルともいえる木造の赤い倉庫が見えてきました。かつては「貿易の街」として栄えたポルヴォー。遠い国々から輸入された香辛料やワインなどを貯蔵する倉庫を赤く塗ったのは、18世紀にこの地を治めていたスウェーデン国王グスタフ3世に敬意を示すためだったといわれています。
橋の上から眺める、ポルヴォーの景色に感激。赤い倉庫の向こうには、パステルカラーの古き良きフィンランドの街が広がっていました。

2015. update.

The Old Town of Porvoo

旅はパステル色

およそ800年の歴史を持つ、フィンランドで2番目に古い街、ポルヴォー。川岸の赤い倉庫群の向こうに、ポルヴォー大聖堂の三角屋根が見えます。大聖堂がそびえる丘のふもとには、黄色やブルーやピンクのパステルカラーの木造の建物が並び、18世紀につくられたポルヴォーの旧市街が今も大切に残されています。
どこを切りとっても絵になる可愛い街並み。丸い石が敷き詰められた石畳の小道を歩けば、フィンランドの古き良き時代へタイムトリップ。雑貨屋さんやカフェ、チョコレート工場、人形とおもちゃの博物館や、地元や国内の作家たちのハンドクラフトショップ、デザインショップなどなど。観光客でにぎわう旧市街のショッピングやカフェめぐりは、心もパステル色に染まります。
目抜き通りのヨキ通り(Jokikatu)からは、赤い倉庫をリノベーションしたレストランやカフェに入ることもできます。赤壁倉庫の並びに建つ、1902年につくられた4階建の赤レンガ倉庫は、今ではカフェ&バー ポルヴォーン・パーハティモ(Bar & Cafe Porvoon Paahtimoになっていて、自家焙煎のコーヒーと川沿いの小舟のテラス席が人気。
ヘルシンキからポルヴォーへの小旅行は、半日あれば十分楽しめます。旧市街は小さな街なので、道に迷うこともありません。どの道も自然と大聖堂へたどり着くようにつながっているのだとか。まあるい石畳や赤い倉庫の川辺をのんびり歩きながら、パステルカラーのような淡い気持ちで、フィンランドの昔と今を感じてください。

2015. update.

Raatihuoneentori

旧市庁舎とマーケット広場

ポルヴォーを訪れたのは6月半ばの土曜日。この日は何か特別なイベントの日だったのか、観光客がいっぱいで、旧市街の人たちはみんな民族衣装のようなものを着て、お客さんをもてなしていました。街の雰囲気は中世そのもの。貴族の衣装を着た人と馬車のあとをついていったら、ひらけた石畳の広場へ出ました。
広場に建つパステルピンクの時計塔の建物は、ポルヴォー旧市庁舎。1762年に建てられたフィンランドで最も古い市庁舎なのだとか。現在はポルヴォー歴史博物館(Porvoon Museo)になっていて、ポルヴォーほか東ウーシマー(Uusimaa)地方の歴史、絵画、中世の衣装や家具、テキスタイルや陶器、ジュエリーなどが展示されています。愛らしい旧市庁舎は、実はちょっとだけ傾いて建っているそう。
旧市庁舎前の広場では青空マーケットが開かれていました。雑貨や絵画、ハンドクラフト、アクセサリーなどのお店が出ていて、フィンランド風クレープに並ぶ、民族衣装のおばあちゃんたちが可愛くてたまりません。それから、サウナ大好きなフィンランドの人たちに欠かせない、白樺の葉っぱも売ってました。サウナの中で体をパタパタ叩いてマッサージするヴィヒタ(vihta)は、初夏に出てくる白樺の若葉を集めて束ねたもの。
ポルヴォーのマーケットは大きくはないけれど、なんともいえないほほえましい雰囲気につつまれています。なんだかすぐに広場を通り過ぎてしまうのはもったいない気がして、クレープ屋のおばあちゃんたちの後ろに並んだのは言うまでもありません。

2015. update.

Porvoon tuomiokirkko

ポルヴォー大聖堂とチョコレート工場

青空マーケットが開かれる旧市庁舎前広場から、石畳の坂道をのぼると、丘の上のポルヴォー大聖堂(Porvoon tuomiokirkko)が見えてきます。15世紀初頭に建てられてからポルヴォーの街を見守りつづけてきた大聖堂は、真っ白な漆喰(しっくい)の壁と山形の切妻屋根がとても印象的。これまで5回もの火災に見舞われたそうですが、そんな傷跡をまったく感じさせないほど美しくたたずんでいました。
ゴシック様式の大聖堂の中には大きなパイプオルガンがあり、とんがったアーチの天井には星型模様の装飾が施され、黄金のシャンデリアが飾られていました。
大聖堂前の通りには、ポルヴォーに来たら忘れてはならないパステルピンクの小さなチョコレート工場があります。小さくて、かわいくて、おいしいチョコ。ピエニ・スクラーテヘダス(Pieni Suklaatehdas)はその名の通りチョコレート工場なので、オープンキッチンからチョコづくりの様子も見学できます。チョコめぐりしたいなら、旧市街にある1871年ポルヴォーに創業したもうひとつの老舗チョコレート店、ブルンバーグ(Brunberg)にもぜひ行ってみて!

2015. update.

Runebergintorttu

カフェ・ヘルミの ルーネベリタルト

ポルヴォー出身の国民的詩人 J.L. ルーネベリ(Johan Ludvig Runeberg)。2月5日の誕生日はルーネベリの日(Runebergin päivä)と呼ばれ、毎年この季節になるとフィンランドの国民的スイーツ ルーネベリタルト(Runebergintorttu)が登場します。甘いものが大好きなルーネベリのために、奥さんが余りもののジンジャークッキーをくだいて作ったカップケーキに、ラズベリージャムをのせたのものがじまりだとか。
ポルヴォーではルーネベリタルトを1年中食べられるお店がいくつもあります。中でもいちばんおいしいと評判の人気店、カフェ・ヘルミ(Tee- ja kahvihuone Helmi)へ!パステルイエローの可愛いカフェの前ではバイオリンとクラシックギターの演奏がはじまっていて、軽やかな音色に心弾みます。古いお屋敷のような店内にはいろんな種類のケーキが並んでいましたが、迷わずルーネベリタルトを注文!満開のライラックが香る、ガーデンテラスでいただきます。
ポルヴォーで食べる、はじめてのルーネベリタルト。しっとりとした生地にシナモンやカルダモンのスパイス、粒つぶのアーモンド、ほんのりラム酒と甘ずっぱいラズベリージャム‥‥お、おいしい!! 素朴だけど、恋しくなる味。ルーネベリが愛したポルヴォーの街のように、やさしい甘さが口の中にいっぱいに広がりました。

2015. update.

J.L. Runebergin koti

J.L. ルーネベリの家

フィンランドの国家『我が祖国(Vårt land)』を作詞した国民的詩人、ヨハン・ルードヴィッヒ・ルーネベリ(Johan Ludvig Runeberg)。ポルヴォーで生まれ育ったルーネベリは、人生のほとんどの時間を、ポルヴォーの美しい自然の中で過ごしたといいます。野原や水辺を歩いたり、鳥やキツネのハンティングをしたり、島を巡ったり。冬になると、ルーネベリは心に刻んだすべての物語を書き留めたそうです。
1877年まで家族と暮らしていたルーネベリの家は、ポルヴォーの新市街に今も残っています。パステルオレンジのルーネベリの邸宅は現在は博物館となっていて、ポルヴォーの19世紀の生活を垣間見ることができます。フレデリカ・ルーネベリ夫人がルーネベリタルトをつくっていた小さなキッチンもありました。

ヘルシンキからポルヴォーへ行くにはバスが便利ですが、およそ100年前に造られた蒸気船 J.L.ルーネベリ号(m/s J.L. Runeberg)で海から行くこともできます。バスは1時間、船だと4時間かかりますが、海のクルーズを楽しみながらゆくポルヴォーの旅も魅力的。船から見えるポルヴォーの美しい自然こそが、詩人ルーネベリのインスピレーションの源だったのです 。

2015. update.

ポルヴォー

Porvoo

およそ800年の歴史を持つ、フィンランドで2番目に古い街、ポルヴォー。
http://www.visitporvoo.fi

ブルンバーグ

Brunberg

1871年にポルヴォーに創業した、フィンランドで人気のチョコレートブランド「Brunberg
http://www.brunberg.fi

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