北欧フィーカ|フィンランド・ヘルシンキの旅|ラヴィントラ・ユーリとクラウスK。ヘルシンキ 美食の旅。|Scandinavian fika.

デンマーク・スウェーデン・フィンランド、北欧デザインの旅。

ラヴィントラ・ユーリとクラウスK。ヘルシンキ 美食の旅。

エスプラナーディ通り(Esplanadi)の南に広がるヘルシンキ・デザイン地区の中心、エロッタヤ(Erottaja)地区へ。今日のディナーは、ヘルシンキで最も独創的なフィンランド料理「サパス」が味わえる人気のレストラン、ラヴィントラ・ユーリ(Ravintola Juuri)。
デザインホテル KLAUS K(クラウス・コー)に泊まって最高の朝を迎えたら、ブレバルディ通りを歩いて、ヘルシンキ最古のカフェ、カフェ・エクベリ(Cafe Ekberg)へ。

美味しいものを探して。ヘルシンキ、美食の旅。


□写真上/ ラヴィントラ・ユーリの小皿料理サパス、卵とコールドスモークのニジマス

Ravintola Juuri

ラヴィントラ・ユーリ

旅先では特別なディナーの日をつくるようにようにしています。その国の郷土料理や家庭料理、旬の食材。ほんとうに美味しいものだけを求めて、旅するのです。
物価が高い北欧では、毎晩レストランでディナーはなかなか…‥。ひとり旅なので、いつもパン屋やスーパーや市場に買い出しに行って、夜はホテルで食べることが多いです。でも、その日だけは思いきり贅沢をして、とびっきりおいしいものを食べようと決めています。
以前、フルタヨウコさんのレシピ本『今日はどれにする? 北欧のおいしいスープ』を紹介させいただいたとき、出版社の編集者さんにとても良くしていただいて、ヘルシンキのおすすめのレストランを教えてもらいました。
最高のディナーを味わいに向かった先はヘルシンキ・デザインミュージアム(Designmuseo)近くのレストラン、ラヴィントラ・ユーリ(Ravintola Juuri)。ユーリは、ヘルシンキで最も独創的な食を楽しめる人気店。地元の食材で作るフィンランド料理は、スペイン発祥のタパスのような小皿料理で、フィンランド風タパス「サパス(Sapas)」と呼ばれています。
ユーリは高級レストランというより、ビストロのようなあたたかな雰囲気。気さくな店員さんの案内で窓際の予約席に座ると、食器がマリメッコだとすぐに気づきます。実は、マリメッコ本社の社員食堂マリトリ(maritori)のオーガニック料理はすべて、ユーリのシェフが腕をふるったものなのです。
赤いソックスロールドダウンのタンブラーが、キャンドルのようでできれい。旬のルバーブジュースを飲みながら、サパスのおいしいひとときが始まります。

2016.4. update.

Sapas

みんなでサパス

フィンランドでは長い間、料理をみんなで分けあって食べるという文化がなかったそう。「サパス」と呼ばれる小皿料理は、ラヴィントラ・ユーリから火がつき、たちまちフィンランドの新しい食文化として広まったそうです。
たくさんの小皿料理をオーダーして、いろんな味を楽しみながら、みんなで分けあって食べる。日本ではあたりまえのような食べ方も、フィンランドでは最先端の食のスタイルとして流行っているというから面白い。
この日のディナーは、お腹がいっぱいになるまでおすすめのサパス(1皿 5.2€)をオーダー。卵とコールドスモークのニジマス。赤タマネギとボスニア海のニシン。茎のマヨネーズとフィンランド牛……小皿に盛り付けられたサパスは、もうどれも美しくて、感動するほど美味しい! !
サパスのメニューは季節ごとに変わるので、何度ヘルシンキを訪れても、そのとき、そのときのフィンランドの旬が味わえます。
ラヴィントラ・ユーリのオーナー、イーリヤ・ビョルス(Ilja Björs)は生粋のヘルシンキっ子。彼はフィンランドの食文化と食材を、新しいものに変えることに力を注いできました。フィンランドの収穫期は短いけれど、イーリヤがいちばん好きな季節。夏のサマーキッチンで調理した旬のパイクパーチ、新じゃが、アンズダケ、アスパラに勝るものはない、とイーリヤ語ります。
「旬」を味わうことは、フィンランドの「今」を感じること。食を通じて見えた新しさと、深い味わいの奥にある、変わらないもの。おいしい食べものが、私たちの体をつくっている。

2016.4. update.

KLAUS K

クラウスKとカレワラ

ずっと憧れだったフィンランド初のデザインホテル、KLAUS K(クラウス・コー)。「フィンランドの伝統とモダンデザインの融合」をコンセプトに、フィンランドの民族叙事詩「カレワラ」に登場する自然や物語からインスピレーションを受けて、ホテルの内装や客室がデザインされているそう。
「カレワラ」とはカレリア地方で伝承されてきた神話や英雄の一代記などをまとめた民族叙事詩で、フィンランドの作曲家ジャン・シベリウス(Jean Sibelius)も、カレワラに影響を受けた音楽をたくさん残しています。
レセプションの繭の卵のようなオブジェ。白い花飾りのような艶やかなカウンター。レストランの白樺の装飾や天井の鏡。木や波、自然をモチーフしたデザインの細部にも「カレワラ」の世界があらわれているよう。
「カレワラ」の物語をまったく知らなくても、純粋にデザインホテルの内装やインテリアを楽しめます。壁やテキスタイルの赤が印象的な客室は、スタイリッシュでエキゾチック。ホテルにはレストランとバー、ナイトクラブがあって、宿泊客はサウナも無料で使えるみたい。北欧デザインに興味があるなら、ぜひ一度泊まってみて!
(※ホテルの名前は「クラウス・コー」と読みますが、ガイドブックでは「クラウス・クルキ」と掲載されているものもあります)

2016.4. update.

Erottaja

おいしい朝

ヘルシンキのデザインホテル、クラウスKへは中央駅から3番トラムに乗って2駅。エロッタヤ(Erottaja)駅で降りたら、目の前にホテルの入り口が見えます。ヘルシンキ最大のショッピングストリート、エスプラナーディ通り(Esplanadi)までは歩いてすぐ。アクセスも良いし、クラウスKからヒエタラハティ広場(Hietalahti)まで伸びる閑静なブレバルディ通り(Bulevardi)は雰囲気が素敵。グリーンのトラムも絵になります。
ホテル滞在で楽しみなのは、何といっても朝食!北欧のモーニングビュッフェはどのホテルも同じようなメニューですが、クラウスKの朝食はすっごくおいしかった!パンやたまご、チーズ、ハム、じゃがいも、野菜にくだもの、コーヒーやヨーグルト、シリアルまで。メニューは同じでも、食材一つ一つがとてもおいしい。
朝はできるだけ早く起きて、混み合わないうちに良い席に座ります。そして心ゆくまで、朝食をもりもり食べます。朝のひとときは、とても贅沢なもの。1日の始まりは何より大事にしなくては。おいしい朝が、1日の元気をくれるのです。

2016.4. update.

Korvapuusti

シナモンロールをめぐる旅

香ばしい匂いに誘われて、フィンランドでシナモンロールめぐり。朝から晩まで、シナモンロール食べ歩きです。
シナモンロールのことはフィンランド語で、コルヴァプースティ(Korvapuusti)。映画『かもめ食堂』でも出てきた、うずまき型のかわいいフィンランド流シナモンロールは、コルヴァプースティ=「つぶれた耳」と言う意味。フィンランド語で甘い菓子パンを意味する、プッラ(Pulla)と呼ばれることもあります。
北欧のシナモンロールは、粗挽きのカルダモンがピリリと効いてスパイシー。強力粉とパールシュガーが決め手です。
シナモンロール発祥はお隣のスウェーデン。写真のカフェ・エクベリのシナモンロールは、スウェーデンでよく見るねじり編みのカタチ。
「かもめ食堂」のカハヴィラ・スオミ(Kahvila Suomi)のシナモンロールはやっぱり外せないし、カフェ・エスプラナーディ(Cafe Esplanad)の巨大なシナモンロールも食べてみたい! エロマンガ(Eromanga)カフェ・レガッタ(Cafe Regatta)カフェ・ホピア(Kahvila Hopia)のシナモンロールも絶品というから、シナモンロールをめぐる旅は何日あっても足りません!

2016.4. update.

Cafe Ekberg

カフェ・エクベリ

クラウスK ホテルからブレバルディ通り(Bulevardi)を西に歩くこと数分。1852年創業のヘルシンキ最古のカフェ、カフェ・エクベリ(Cafe Ekberg)があります。
(※カフェ・エクベリは、カフェ・エクベルグと紹介されているものもあります)
クラシックな雰囲気の店内にはカフェとベーカリーがあって、人気のモーニングビュッフェを目当てに朝から人でいっぱいです。エクベリは、ケーキやペストリーも魅力的。木漏れ日を浴びたテラスやカフェの中では、創業から愛され続けているフィンランド風ミルフィーユ「ナポレオン」を味わう人たちの姿が。
私はカフェのとなりのベーカリーでシナモンロールを買って、10時のおやつにエスプラナーディ公園で食べました。フィンランドのシナモンロールはパンのようにふんわりしたものが多いけど、エクベリのはカリッと香ばしくて、カルダモンの風味が効いて美味しかった!北欧の浅煎りコーヒーにもよく合います。
創業から160年以上ものあいだ受け継がれてきた伝統のパン種をつかった、エクベリのパン。酸味の強いライ麦パンが、フィンランドの味。

2016.4. update.

ラヴィントラ・ユーリ

Ravintola Juuri

伝統的なフィンランド料理を独創的にアレンジした小皿料理サパスが人気のレストラン。
http://juuri.fi

クラウス・コー

KLAUS K

フィンランドの民族叙事詩「カレワラ」がテーマのフィンランド初のデザインホテル。
http://www.klauskhotel.com

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