北欧フィーカ|デンマーク・コペンハーゲンの旅|オードロップゴー美術館とフィン・ユール邸。森の遊園地バッケンへ。|Scandinavian fika.

デンマーク・スウェーデン・フィンランド、北欧デザインの旅。

オードロップゴー美術館とフィン・ユール邸。森の遊園地バッケンへ。

クランペンボー(Klampenborg)駅の北西部に広がる広大な森。かつて王室の狩猟場だったこの森には、世界最古の遊園地といわれるバッケン(Bakken)があります。
駅から遊園地へ、森を歩けば、馬車に乗った子供たちが笑顔で手を振ってくれます。陽気なアコーディオンのメロディと、自然の恵みに癒されて、不思議と誰もが心をひらいてゆくよう。

さらに森の奥へと進めば、モダンなオードロップゴー美術館と、美しい白亜のフィン・ユール・ハウスが見えてきます。

 

□写真左/ 森の遊園地 バッケン(Bakken)のお迎えの馬車


Klampenborg

郊外への旅は、クランペンボー駅から

ベルビュー・ビーチが目の前に広がるクランペンボー(Klampenborg)駅へは、中央駅からエストーC線で30分、郊外列車Reで20分。ヤコブセンやフィン・ユールなど、北欧デザインに興味があれば、ぜひ足を運びたい観光スポット。
オードロップゴー美術館(Ordrupgaard Museum)へは、クランペンボー駅から388の市バスに乗って「Vilvordevej」というバス停で下車します。ここで、要注意! 388のバス乗り場は、駅前の通りを渡った西側のバス停から乗車すること!(※逆方面に行ってしまいます)そして、もちろんバス内でアナウンスはありません。自分のように、駅を乗り過ごして終点までいってしまわないように! 「Vilvordevej」はクランペンボー駅から数えて、5つ目か6つ目の駅です。終点の「Lyngby」でバスの運転手に「オードロップゴーに行きたい」って話したら、「このままバスに乗ってて。駅に着いたら教えてあげるわ」と親切に接してくれました。ドライバーは金髪のショートカットの女性で、サングラスを外したら、ジーン・セバーグのように美人でかっこいい人でした! バスを降りるときは、バックミラー越しに合図をして、彼女と「Good Bye!」しました。トラブルもまた、旅の楽しさのひとつです◎

2010. update.

Ordrupgaard

オードロップゴー美術館と ザハ・ハディド

Vilvordevej」のバス停から「Ordrupgaard」の看板の先、塀のある美術館の入口を通って、森の奥へと進むと、古い洋館とモダンな新館が見えてきます。フランス様式の庭とのつながりを考えて設計されたという旧館(写真上)は、1918年に建てられた歴史あるもの。緩やかなカーブを描いたフレ−ムとガラス、コンクリートでつくられた斬新なデザインの新館は、2005年にイラク出身の女性建築家ザハ・ハディド(Zaha Hadid)が設計。地形に合わせて、森に向かってせり出すように建てられていて、自然との調和をはかるアプローチがとてもユニーク。明るい光が差し込む館内のカフェは、ミシュランレストラン「The Paul」がプロデュース。テーブルには、赤や紫のフィン・ユールのペリカンチェア(Pelican Chair)が並んでいます。
モネやセザンヌなど、フランス印象派のコレクションでは北欧一を誇るオードロップゴー美術館。もともとは、大手保険会社のオーナーが個人コレクションを公開するためにオープンした自宅ミュージアムだったとか。建物そのものが芸術品のような森の美術館は、一見の価値あり。見るものすべてをひきつけるデザインの力にあふれています。

2010. update.

Finn Juhls hus

フィン・ユール・ハウス

デンマークの家具デザインのパイオニア、フィン・ユール(Finn Juhl)。ヤコブセンやウェグナー、モーエンセンたちとともに、デンマーク・モダンを推し進めた巨匠のひとり。ただ、彼の家具デザイナーとしてのスタートは順調ではなかったようです。彫刻のように美しいチーフティンチェア(Chieftain Chair)を「ラケットにひっかかった4つのオムレツ」と酷評されたとか。フィン・ユールの評価は、スカンジナビアからでなく、アメリカで火がつき、その後デンマークで高まっていったそうです。
オードロップゴー美術館の庭の先に建つ白亜の邸宅、フィン・ユール・ハウス(Finn Juhls hus)。1942年に、まだ若き建築家であったフィン・ユールが設計・建築した自邸が、2008年から美術館の一部として公開されています。フィン・ユールは、この家で使うすべての家具をデザインしたそう。人生のパートナーであり、創作の最大の理解者でもあった夫人に、自分が亡き後もこの家に住み続けてほしいと願ったといいます。ここは、フィン・ユールが愛し、生涯をかけてつくりあげた、もっとも美しい家。彼の人生がカタチとなって、森の中にひっそりと残っています。

2010. update.

Bakken

馬車に乗って、森の遊園地へ

鹿公園とも呼ばれるこの森には、世界最古の遊園地 バッケン(Bakken)があります。クランペンボー駅からバッケンの入口までは馬車も出ています。パカパカと小気味よい馬の足音が森の中に響いて、馬車に揺られながら、木漏れ日のまぶしいこの一本道を行くだけで、童話の中の世界に入ってゆくようなわくわくがあります。徒歩10分くらいの道ですが、たったこれだけの道のりので、人は子供のころに戻れるのです。
バッケンは浅草の「花やしき」のようなテーマパークで、チボリよりもレトロな感じ。木製のジェットコースターや、ロイヤル・コペンハーゲンのティーカップのアトラクションが人気です。(※コペンハーゲンカードで入場無料になります)

2010. update.

Santa Claus

サンタクロースって信じます?

突然ですが、サンタクロースって信じてます? 自分は子供のころ、信じてました、ずっと。クリスマスの朝はいつも枕元に赤いリボンのプレゼントが置いてあって、「サンタさん、ありがとう!」と空にお礼をいってました。遠い遠い国にいると思っていましたから。そして、小学3年のイブの夜に、お父さんサンタの正体を知り、ショックを受け、いつもトナカイのソリを考えて、なるべく小さめのプレゼントをお願いしていたことをひどく後悔しました。
でも、みなさん、サンタは本当にいるのです! 断言します! なぜなら、ここバッケンで、毎年7月に世界中のサンタが集まって、「世界サンタクロース会議」が開かれるから。子供ができたら、ちゃんと真実を教えてあげましょう。「遠い遠い国に、ほんとうにサンタさんはいるんだよ」と。

2010. update.

Merry-go-round

木馬に揺られ

遊園地でいちばん楽しいのは、アトラクションではありません。世界中の子供たちの笑顔を見ること。デンマークのバッケンには、いろんな国の子供たちが集まってきて、はしゃいだり、わがままいったり、アイスを食べたり……。ヨーロッパ、アジア、アメリカ……言葉も肌の色も違う子供たちが、みんな瞳をキラキラさせて、おとぎの国に夢中になっています。メリーゴーランドに乗って、ぐるぐる回るわが子に手を振るパパとママ。その光景の、なんと微笑ましいことか。旅の疲れなんか吹っ飛んで、幸せな気持ちになります。
ふと、サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』を思い出しました。どしゃぶりの雨の中、ずっと、回転木馬に揺られる妹を見ているラストシーン。まったく、あれは君にも見せたかったよ。

2010. update.

オードロップゴー美術館

Ordrupgaard Museum

女性建築家ザハ・ハディドが新館の設計を手がけた、森の中のオードロップゴー美術館。
http://www.ordrupgaard.dk

バッケン

Bakken

「世界サンタクロース会議」も開かれる、デンマーク最古の遊園地バッケン。
http://www.bakken.dk

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