北欧フィーカ|スウェーデン・ナッカの旅|芸術家オッレ・ニィマンが愛したアトリエ。ソンマル・カフェ、コロニー。|Scandinavian fika.

デンマーク・スウェーデン・フィンランド、北欧デザインの旅。

芸術家が愛したアトリエ。ソンマル・カフェ、コロニー。

スウェーデンのまぶしい夏。誰もが心待ちにする季節の訪れとともに、短い夏の間だけオープンするソンマル・カフェ(Sommarcafé)があります。
ほんとうは誰にも教えたくないという秘密のソンマル・カフェがあると知って、スルッセン(Slussen)からブルーのローカル電車に乗って15分。ストックホルムの隣のナッカ(Nacka)へ。
自然豊かなサルトショー・ドゥーヴネス(Saltsjö-Duvnäs)の美しい水辺の景色を眺めながら、東へ歩いてゆくと、閑静な住宅地の中に突然、緑の庭が広がるソンマル・カフェがあらわれます。
それは、秘密のカフェ「コロニー」。
スウェーデンの芸術家オッレ・ニィマン(Olle Nyman)が愛した、夏のアトリエの景色でした。

 

□写真上/ オッレ・ニィマン(Olle Nyman)の絵画にもなっている自邸の風景

KOLONi

コロニー

スウェーデンで買った2枚の絵画の絵ハガキ。そこには、白いアトリエから見える緑の夏の景色と、静かな海が広がる冬の景色が描かれています。それは、スウェーデンの芸術家オッレ・ニィマン(Olle Nyman)が愛したアトリエからの風景。
スルッセン(Slussen)駅から電車に乗って15分。ストックホルムのおとなりのナッカ市(Nacka Kommun)に絵ハガキの中のアトリエはあります。
絵画や彫刻などの創作活動を続けてきたオッレ・ニィマンのアトリエと自邸は、彼の亡きあと、オッレ・ニィマン文化財団によってミュージアムとして一般公開されました。それに合わせてオープンしたのが、カフェ・コロニー(KOLONi)です。
美しい緑と水辺の景色を楽しめるオープンカフェ・コロニーは、ナッカの自然あふれる閑静な住宅地の中にひっそり建っています。入口の門の前には、「KOLONi」と書かれた小さなブラックボードがあるだけ。カフェでくつろぐ人たちも、近所の家族や若者といった感じ。それでもこの場所には、アットホームというよりも、何か特別な、優雅で開放的な空気が満ちています。ここでは、庭の草花も海の青さも、カンバスに描かれた絵画のよう。コロニーには、なめらかな絵筆ような美しい時間が流れていました。

2014. update.

Sommarcafé

夏のソンマル・カフェ

スウェーデンでは夏の間だけオープンするサマー・カフェのことを、ソンマル・カフェ(Sommarcafé)と呼びます。コロニーもそのひとつ。毎年4月、ソンマル・カフェ「コロニー」がオープンする日を、みんな心待ちにしています(※夏は毎日営業。秋は週末のみの営業し、10月に閉店)。
自然につつまれたコロニーでは、素敵なサンルームやガーデンテーブルに座って、フィーカや美味しい食事を楽しめます。敷地内ではハーブやルバーブなどを育てていて、カフェのカウンターに並んだ人気のケーキやパイには、庭で摘んだ色鮮やかな花が添えられています。ケーキはどれもおいしいけれど、いちばんのおすすめは「ルバーブとリンゴのパイ」!温めたパイに、バニラソースをかけてめしあがれ。
夏限定のソンマル・カフェ「コロニー」ですが、クリスマスを迎える冬の1ヶ月間だけは特別にオープンするそう。スウェーデンの伝統的なクリスマス料理、ユールボード(Julbord)を楽しむことができるのだとか(要予約)。
2013年の夏には、国会議事堂とガムラ・スタンの王宮をつなぐ橋ノルブロー(Norrbro)の下に、小さなカフェ・コロニーをオープン。ストックホルムの水辺の景色を眺めながらフィーカも素敵。

2014. update.

Smultronställe

コケモモのスムルトロンステッレ

コケモモのスムルトロンステッレ。なんだか美味しそうなケーキの名前……ではありません。スウェーデン語で「Smultron(スムルトロン)」とは、小さくてかわいい夏の「野いちご」のこと。そして「Ställe(ステッレ)」とは「場所」を意味します。スウェーデン人にとって「Smultronställe (スムルトロンステッレ)」とは、「誰にも知られたくない秘密の場所」をあらわす言葉なのです。
そんな秘密の場所をこっそり教えてくれたのは、KOKEMOMO Sweden のサイト。スウェーデンの食文化にはかかせない Lingon(リンゴンベリー)の名前がついた「コケモモ・スウェーデン」は、ストックホルム在住の日本人ふたり組のユニット。いつもストックホルムから、スウェーデンの旬の情報を私たちに届けてくれます。
初めて日本に「コロニー」を紹介してくれた「コケモモ」のお二人のおかげで、隠れ家のような素敵なアトリエカフェで、最高のフィーカを味わうことができました。Tack! Tack!
(※このページに書かれてあることは、ほとんど KOKEMOMO Sweden の情報です)
でもみなさん、「コロニー」のことはくれぐれも秘密にしておきましょう。北欧好きの友達に会っても内緒です。「野いちご」を見つける旅は、こっそり行ってこそ、価値があるのです。

2014. update.

Olle Nyman

オッレ・ニィマンが愛したアトリエ

1909年、ナッカのサルトショー・ドゥーヴネス(Saltsjö-Duvnäs)に生まれたオッレ・ニィマン(Olle Nyman)は、若い頃にスウェーデンで美術を学んだあと、海外を巡り、帰国後は王立美術大学で教鞭をとりました。その後、1950年代中頃に故郷サルトショー・ドゥーヴネスに戻り、この家で1999年に亡くなるまで、創作活動を続けました。
オッレの自邸は今はミュージアムとして公開されていて、ガイドツアーも行なわれています(夏期の木曜~日曜に1日2回)。アトリエもそのまま残されており、絵画や彫刻などの彼の作品を見ることができます(木曜~日曜)。
アトリエの横につくられたギャラリーでは、若手アーティストのエキシビジョンが行なわれていました。ハイサイドの窓から差し込む光が、とても印象的なギャラリー。オッレ・ニィマンの作品集や絵画のポストカードなども、ここで買うことができます。

2014. update.

Nacka

ナッカを歩こう

ストックホルム郊外にあるナッカ市(Nacka Kommun)。あまり聞き慣れない地名ですが、ストックホルムのすぐ東に位置する市で、グスタフスベリ(Gustavsberg)よりもずっと近い町です。コロニーに行くことがなければ、きっと短い旅行の間に、ナッカを訪れることもなかったと思います。
オッレ・ニィマンの故郷サルトショー・ドゥーヴネスは、自然豊かな美しい水辺の町。ストックホルム中心地から電車でわずか15分で、こんな別荘地のような場所にたどり着くことができるだなんて!
サルトショー・ドゥーヴネスの駅からコロニーまで続く海岸線にはかっこいいヨットが並び、閑静な住宅地に建つ家々はどれも、ため息がでるほど素敵。ナッカの水辺をのんびり歩くだけでも、うきうき楽しい気持ちになります。

2014. update.

Saltsjö-Duvnäs

サルトショー・ドゥーヴネス

セーデルマルムのスルッセン(Slussen)から出発するスウェーデンブルーのローカル電車(L25/Lokalbanor)に乗って約15分。ナッカ(Nacka)駅を過ぎた7つ目の駅。サルトショー・ドゥーヴネス(Saltsjö-Duvnäs)駅で下車。コロニーへは、美しい水辺の通りを東へてくてく歩きます(徒歩約15分)。
>> コロニー(KOLONi)のアクセスMAP
ストックホルムの旅では地下鉄を利用することがほとんどですが、ローカル線もなかなか良いものです。地下鉄スルッセン駅のローカル線の乗り場は1番下の階、グスタフスベリ行きのバスターミナルの前にあります。(地下鉄に乗ってスルッセン駅のホームに着いたら、すぐに改札を出ずに「Nacka(ナッカ)」とサインが出ている階段を降りましょう)
ナッカは近いですが、コロニーを満喫したいなら、ゆったり時間をとることをおすすめします。

2014. update.

コロニー

koloni

芸術家オッレ・ニィマンが愛したアトリエにつくられた夏限定のソンマル・カフェ「コロニー」。
http://www.koloni.se/

コケモモ・スウェーデン

KOKEMOMO Sweden

ストックホルムから旬の情報を発信してくれる、センスあふれるスウェーデン情報サイト。
http://www.kokemomosweden.com

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