北欧フィーカ|フィンランド・ヘルシンキの旅|白夜に輝くヘルシンキ大聖堂とマーケット広場。|Scandinavian fika.

デンマーク・スウェーデン・フィンランド、北欧デザインの旅。

白夜に輝くヘルシンキ大聖堂とマーケット広場。

ヘルシンキの小高い丘の上に建つ、白亜の大聖堂。大階段に腰を下ろし、夏の日差しをいっぱいに浴びながら街を見下ろすと、「バルト海の乙女」と称される美しい街並が見えます。どうしても見たかった、ここからの景色。南にはエテラ港があり、オレンジ色のテントが並ぶマーケット広場(Kauppatori)が広がっていて、旬のブルーベリーやラズベリー、果物や野菜、キノコや海の幸、トナカイの角のアクセサリーや白樺のこぶで作られたククサなどが並び、にぎやかな人であふれています。

一瞬のきらめきのようなフィンランドの夏。夜が来ても、ヘルシンキの太陽はまだまだ沈みません。

 

□写真左/ 中央駅前のソコスホテル・ヴァークナより。夜11時過ぎ、夕焼けに染まるヘルシンキ大聖堂。


Tuomiokirkko

ヘルシンキ大聖堂

いつもヘルシンキの街を見守っている白亜の教会、ヘルシンキ大聖堂(Tuomiokirkko)
フィンランドがロシアから独立をはたす1917年までは、聖ニコラス教会と呼ばれていたそうです。ルーテル派の総本山で、1852年にドイツ人建築家カール・ルドヴィヒ・エンゲルの設計でネオ・クラシック様式に改築。でも初めは、真ん中のドームがひとつあるだけだったとか。それから、カールの後継者エルンスト・ロールマンの手によって、鐘楼や礼拝堂や4つの小さなドームがつけくわえられ、30年の歳月をかけて完成しました。屋根には12使徒の像が飾られています。
中央駅からは東に歩いて10分くらい。大聖堂内は入場無料で自由に見学することができます。
夏至が近い白夜のヘルシンキ。真夜中に訪れるつかのまの日没の、夕焼けに染まる大聖堂が忘れられません。

2013. update.

Senaatintori

黄昏のセナーティ広場

ヘルシンキ大聖堂の前には、約40万個の御影石が引きつめられたセナーティ広場(Senaatintori 元老院広場)が広がっています。街の中心に位置するこの広場は、ヘルシンキで最も古い歴史地区。石畳の真ん中には、かつてフィンランドを統治していたロシア皇帝アレクサンダー2世の像が建っています。
ここではよくイベントやコンサートも行われるそう。ヘルシンキ大学、政府官舎、フィンランド国立図書館、そしてヘルシンキ大聖堂。建築家カール・エンゲルがデザインした4つの建築物が、市民の憩い広場を囲んでいます。
大聖堂の大階段から見える景色にうっとり。まだまだ行きたい場所はたくさんあるのに、ぼんやり、のんびり、たそがれちゃいます。もうフィンランドに来たんだから、せかせかしちゃダメなんです。時間を止めるように、大きく深呼吸。ゆるやかな時の流れの中でしか、見えない景色があるのです。

2013. update.

Havis Amanda

バルト海の乙女

マーケット広場があるエテラ港とエスプラナディ通りへとつなぐ噴水広場に、港を振り返る美しい女性の姿……。それは、フィンランド人彫刻家ヴィッレ・ヴァルグレン(Ville Vallgren)が 、パリのアトリエで出会った19歳のパリジェンヌ。彼女をモデルにした乙女の銅像をパリのアートサロンで発表したヴァルグレンは、1908年にヘルシンキの噴水広場のメインモニュメントとして母国に贈りました。
「海から湧きあがるような女性像は、ヘルシンキの象徴でもある」と語ったヴァルグレン。
ヘルシンキのシンボルとなったハヴィス・アマンダ(Havis Amanda)の銅像は、「バルト海の乙女」として人びとに愛されています。
面白いのは、メーデーの前夜祭にヘルシンキの学生たち噴水広場に集まって、アマンダの像をモップで洗い、白い学生帽をかぶせる「銅像着帽」の儀式があるのだとか!

 

2013. update.

Kauppatori

カウパットリには旬のベリー

10時ごろになるとエテラ港にはオレンジ色の屋根の露店が並び、マーケット広場・カウパットリ(Kauppatori)がオープンします。ヘルシンキっ子の台所と呼ばれるカウパットリには、新鮮な果物や野菜、海の幸、ククサなどの民芸品まで。ここに来れば何でも揃います。 特に白夜の夏に熟れるベリーは、とってもおいしい!
量り売りのストロベリー(mansikka)は、日本のものよりも小粒で酸味が強いのが特徴。ラズベリー(vadelma)は天気の良い夏だった場合はとても甘いのだとか。フィンランドのブルーベリーはビルベリー(mustikka )とかワイルドブルーベリーとか呼ばれていて、夏が来るとみんな森にベリーを摘みに行きます。
甘い香りに誘われて、ビタミン補充。ブルーベリーを買って、歩きながらパクリ。小粒でプチッと甘酸っぱいブルーベリーは、旅のあとも思い出す夏のフィンランドの味。

2013. update.

Etelasatama

海を渡って、ストックホルムへ

スウェーデン・ストックホルム行きの豪華客船タリンク・シリアライン(Tallink Silja Line)や、バイキングライン(Viking Line)の発着所になっているエテラ港(Etelasatama)。マーケット広場前には、世界遺産スオメンリンナ要塞行きのフェリー乗り場があります。
私はストックホルムからシリアラインに乗り、初めてフィンランドに入国しました。バルト海クルーズで、アーキペラゴ(群島)をぬけ、ヘルシンキ・エテラ港に入ると、大きなカモメの群れが船の上を飛びまわり、「ようこそ!」と私たちを出迎えてくれます。船から見える大聖堂やヘルシンキの街並に感動して、夢中でカメラのシャッターを切りました。海を渡って、新しい国へ来たのも初めて。この港から、3つめの北欧の旅がはじまったのです。

2013. update.

Uspenskin Katedraali

ウスペンスキ寺院

マーケット広場の東にそびえる北欧最大のロシア正教の教会ウスペンスキ寺院(Uspenskin Katedraali)。ロシア人建築家ゴルノスタイッフによって設計され、1868年に完成。「玉ねぎ」のような黄金に輝く13のキューポラを持つ、赤レンガの教会。教会の近くには、「玉ねぎ」という名のフィンランド料理のレストラン、ラヴィントラ・シプリ(Ravintola Sipuli)もあるのだとか。
ウスペンスキ寺院の中に入ると、金色の聖壇や美しいイコンが飾られていて、とても神秘的。天井の頂と聖壇の背後は空のように蒼く、星がいくつも描かれていました。
南と北の港にはさまれたカタヤノッカ半島の岩山の上に建つウスペンスキ寺院からの眺めも最高です。

2013. update.

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