北欧フィーカ|デンマーク・コペンハーゲンの旅|大切な本をしまった宝石箱。王立図書館“ブラック・ダイアモンド”。|Scandinavian fika.

デンマーク・スウェーデン・フィンランド、北欧デザインの旅。

大切な本をしまった宝石箱。王立図書館“ブラック・ダイアモンド”。

『人魚姫』や『マッチ売りの少女』など、たくさんの名作が生まれたデンマーク。「本は国の宝」として、王様はアンデルセン童話などの大切に所蔵本を、黒く光る宝石箱の中にしまったそうです。

コペンハーゲン港のウォーターフロントに建つ、通称“ブラック・ダイアモンド”と呼ばれる王立図書館の新館。
王国の歴史とデンマークモダンが融合した、黒い宝石箱の中を少しだけ覗いてみたくて、古い書物のように重たいトビラを開いたのでした。

 

□写真左/ 王立図書館の新館から旧館へとつづく通路は、歴史をつなぐ架け橋のよう


Black Diamond

ブラック・ダイアモンド

デンマークで一番旬な建築ユニット、シュミット・ハマー&ラッセンが、1999年に南アフリカ産の黒色花崗岩を外壁に用いて王立図書館(Det Kongelige Bibliotek)を設計。「宝石箱」をイメージさせるモダンな新館は、“ブラック・ダイアモンド”と呼ばれて親しまれています。北欧最大の蔵書数を誇るこの図書館には、アンデルセンの直筆原稿や、王室関連の貴重な書物や資料が大切に保管されているそうです。船に乗って、運河から見るブラック・ダイアモンドは、本当に黒くきらめいています。建物の中央のガラスには、空や雲や運河の水面が映り、幻想的。海から眺めるだけで価値があります。

2010. update.

Jewelry box

デンマークの宝石

エントランスはガラス張りのアトリウムで、天井に向かって広くなる吹き抜けの大空間。各階のフロアは「波」のような曲線でデザインされ、それぞれ大きな学習室があります。地下にはコンサートホールもあり、オーケストラの演奏会などが催されているそう。ストックホルム市立図書館も感動したけど、デンマークの王立図書館も素晴らしい。これが図書館だなんて信じられない! 「大切な本」と同じように、「人材は国の宝」という考えが北欧にはあります。福祉や教育が充実しているのは、誰もが学ぶことのできる環境をつくるため、未来の人材を育てるためだといいます。箱ものといわれる日本の文化施設も、輝く宝石箱になってほしい。国の宝は、まだまだ磨かれていない原石なのですから。

2010. update.

Bridge of the times

歴史をつなぐ架け橋

新館と旧館をつなぐブリッジ。入口の油絵のようなタッチの天井画が印象的です。この渡り廊下には、バイキングの帆船の模型が展示されていたり、カモメがたくさん飛んでいたり、航海の歴史がつづられていました。館内では、現代アートのエキシビジョンも行われているそうです。ミュージアムのように楽しめる王立図書館は、観光にもおすすめ。現代から中世へタイムトリップするようなブリッジを抜けると、1906年に建設されたレンガ造りの旧館が。琥珀色に染まるクラシカルな内観がたまりません。

2010. update.

Fountain and Rose

ゆったりとした時が流れる、中庭の泉

バラが咲く旧館の中庭も美しいです。噴水の泉は、苔がエメラルドのように光ってきれい。歴史の深さを感じます。近未来的なブラック・ダイアモンドと、この場所はまるで別世界。モダンとクラシックが背中合わせにたたずんでいて、ふたつの顔を見せてくれます。建物だけでなく、時の流れもゆったりとしていて不思議。図書館の職員なのか、女性がベンチでひとり、本を読みながらサンドウィッチを食べていました。中世の中庭でランチとは、なんて贅沢なひととき。うらやましい。

2010. update.

Søren K

最高のロケーション、ソーレン・K

ブラック・ダイアモンド1Fにある人気のレストラン、ソーレン・コー(Søren K)。運河沿いの最高のロケーションで、モダン・デニッシュ料理を楽しめます。味付けはシンプルで量も少なめなので、日本人にはちょうどいいとのこと。
1階のフロアには他にも、カフェや建築・デザイン書籍が充実したブックショップがあります。水辺のテラスは気持ちがいいので、夏は日向ぼっこだけしている人も見かけました。日本のじめじめした暑さとは違い、海から吹き抜ける風と、太陽のあたたかさが心地良いです。昼間から、ビールやワインを飲みたくなるわけがわかります。

2010. update.

Operaen

水上バスで オペラハウスへ

デンマークを代表する建築家ヘニング・ラーセン(Henning Larsen)が手がけた2004年完成のオペラハウス、オペラーン(Operaen)。四角い大きな屋根と、水面に映えるガラス張りカーブがエレガントな劇場。夜はライトアップされてゴージャスです。王立図書館から人形姫の像まで行く902番の水上バス(Havnebus)に乗ると、ニューハウンの次にオペラハウスに停まります(※コペンハーゲンカードがあれは無料)。
クリスチャンハウン地区、運河沿いの倉庫街には世界中の美食家たちの舌をうならせる、世界一のレストラン ノマ(Noma)があります。

2010. update.

王立図書館

Det Kongelige Bibliotek

コペンハーゲン港のウォーターフロントに建つ王立図書館。通称ブラック・ダイアモンド。
http://www.kb.dk

ノマ

noma

北欧の素材を使った独創的な料理が話題の世界一のレストラン、ノマ。シェフはルネ・レッゼピ。
http://www.noma.dk

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