北欧フィーカ|世界遺産。おとぎの国、エストニア・タリンへ。|バルト三国|Scandinavian fika.

デンマーク・スウェーデン・フィンランド、北欧デザインの旅。

世界遺産。おとぎの国、エストニア・タリンへ。

ヘルシンキから、タリンクシリヤラインに乗ってフィンランド湾を南へ。バルト海の向こうに、まだ見ぬ北欧があります。
リトアニア、ラトビアと並ぶバルト三国のひとつ、エストニア。世界文化遺産の首都タリンの旧市街は、800年前の中世の街並みが残る美しい古都。

遥か中世へ、時をかけるような1日の旅。
おとぎの国、エストニア・タリンへ。

<エストニア・タリンの旅1 前編>
>> エストニア・タリン編(後編)と合わせてご覧ください。
>> エストニア・タリン 旅の基本情報

□写真上/ 聖オレフ教会の塔からの眺め。世界遺産「タリン歴史地区」の美しい街並み

Tallinn, Eesti

おとぎの国、エストニア・タリン

スカンジナビア半島の対岸、バルト海の向こうに、まだ見ぬ北欧があります。北ヨーロッパ、バルト海の北東に位置するバルト三国のひとつ、エストニア(Estonia/Eesti)
エストニアと聞いて浮かんでくるのは、キフヌ島(Kihnu)の赤い縞模様のスカートと、オレンジのとんがり屋根や古い建物が建ち並ぶパッチワークのような街 タリン(Tallinn)
800年もの歴史を誇る世界遺産タリンの旧市街は、中世の街並みが大切に保存された歴史と伝統が息づく美しい古都。
中世へタイムトリップするように、ヘルシンキからフェリーに乗ってバルト海を渡ります。滞在7時間の日帰りエストニア・タリンの旅。
ヘルシンキ中央駅から9番トラムで約20分、ヘルシンキ・西ターミナル(Länsiterminaali)へ。7:30発のライムグリーンの Tallink Star(タリンク・スター)に乗って、2時間の豪華客船クルーズ。穏やかなバルト海を南へすすみ、エストニアのタリン港が近づいてくると、教会の尖塔や大聖堂のシルエットが浮かび上がり、あの美しい世界遺産の街並みが見えてきます。ここは、まだ知らない北欧。おとぎの国、タリンへようこそ。

(ヘルシンキとタリンを結ぶフェリーは、1時間半で行ける高速船リンダライン(Linda Line)もあり、毎日運行しています。ヘルシンキ西ターミナルからのシリアラインの乗り方はこちらのブログがとっても親切でわかりやすいですよ。通貨はフィンランドと同じユーロで、時差もありません。5泊7日くらいの北欧滞在で2ヵ国以上旅したいなら、ぜったいフィンランドとエストニア・タリンがおすすめ!)

2016.6. update.

Raekoja plats

ラエコヤ広場

はじめてのバルト三国、エストニア・タリンの旅。フェリーでタリンDターミナル(Tallinn D-terminal)に到着したら、さっそく世界遺産のタリン旧市街へ向かいます。
シェンゲン協定により、フィンランドとエストニアはパスポートがあれば国境検査なし、そのまま入国できます。エストニアはフィンランドと比べて物価が安いことから、スーツケースを手に食料やお酒などの買い出しにきているフィンランド人がたくさん。海を超えてはるばるやって来たのに、周りは「ちょっとそこまでお買いもの」的な雰囲気。ピリリとした緊張感なし。でも、このおおらかな感じがたまりません。
タリン港からいちばん近い城壁の北門スール・ランナ門(Suur Rannavärav)までは歩いて15分ほど。私はタリン港から人の流れについて行ったら、旧市街の東にある正面玄関 ヴィル門(Viru värav)へ到着しました。
約2kmの城壁に囲まれたタリン旧市街の観光スポットは、ヘルシンキからの日帰り旅行でも十分歩いてまわれる広さ。旧市街のエリアは山の手(トームペア)と下町に分かれていて、色とりどりの可愛い建物が並ぶ石畳の小径を歩けば、自然と街の中心 ラエコヤ広場(Raekoja plats)へたどり着きます。週末にはマーケットが開かれる旧市庁舎前のラエコヤ広場はいつもにぎやか。冬に開かれるクリスマスマーケットでは、大きなクリスマスツリーとイルミネーションで、おとぎの国はもっと幻想的な色に染まるそう。

2016.6. update.

Tallinn Town Hall

トーマスおじいさん と 秘密の薬

ラエコヤ広場の前に建つのは北欧最古のゴシック建築、タリン旧市庁舎(Tallinn Town Hall)。1402年から1404年につくられた歴史ある旧市庁舎は、夏の間だけホールを見学することができます。塔の上からの見晴らしも最高。高さは65メートル塔の先端には、タリンの人びとに愛される街の見張り番「トーマスおじいさん」の姿が!風見鶏ならぬ、風見おじいさん。伝説の監視兵「トーマスおじいさん」に見守られ、タリンの街は今日も平和です。
ラエコヤ広場の近くには、14世紀に建てられた聖霊教会(Church of the Holy Spirit)があります。白い教会は正面から見ると八角形のカタチをしていて、外壁にはタリンで最も古い大時計がかけられています。
広場の角にあるヘビが巻きついた杯の看板のお店は、1422年に創業したヨーロッパ最古の薬局、市議会薬局(Raeapteek)。薬局の中に入ると、中世の道具や薬、スパイスが展示されていて、普通の薬やハーブティー、チョコレートなども購入することができます。中世の治療薬だった「焼き蜂」や「ユニコーンの角の粉末」はもうありませんが、「恋の病を癒す薬」はまだ売ってます。恋する乙女の心の傷を癒すのは、なんとマジパン!昔、マジパンは薬だったそう。秘伝の薬の材料は、72%のアーモンド。残りの28%は………ひみつです。

2016.6. update.

Suur Rannavärav

ふとっちょマルガレータ

「ふとっちょマルガレータ」の愛称で親しまれている城壁の北門、スール・ランナ門(Suur Rannavärav)。ここが昔、牢獄として使われていたころ、囚人の世話をしていた太った女将さんにちなんで「ふとっちょマルガレータ」と呼ばれるようになったのだとか。タリンは「トーマスおじいさん 」とか「のっぽのヘルマン」とか愛称にもユーモアがあっておもしろい。
スール・ランナ門のふとっちょな砲塔はエストニア海洋博物館(Eesti Meremuuseum)として、いろんな帆船の模型や船具などが展示されています。砲塔の屋上から、旧市街や港の眺めるのも気持ちいい。
タリン港からいちばん近いスール・ランナ門をくぐって旧市街へ入ると、タリン憧れの5ツ星ホテル 三人姉妹(スリーシスターズ/ Kolm Ode)が見えてきます。1362年に建てられた商家の住居が3軒仲良く寄り添うように並んでいて、女性らしい雰囲気とたたずまいから「スリーシスターズ」と名前がついたそう。伝統的なエストニア建築を改装したホテルは、中世の趣きを残し、ベッドルームはまるで博物館のような内装だとか。日帰りタリンの旅もいいけど、ほんとは三人姉妹で1泊して、ゆったりタリンを満喫したかったな。

2016.6. update.

Old Town

世界遺産の街歩き

世界遺産タリンの街歩き。東西約800m、南北約900mの旧市街は歩きやすい靴があれば、日帰りでもだいじょうぶ。観たいところをきっとまわれます。タリン旧市街は山の手と下町に分かれていて、下町のラエコヤ広場周辺にはレストランやカフェ・ショップがたくさんあります。まずは山の手のトーンペアを目指して、高台から世界遺産の街並みを堪能。レストランやカフェ、おみやげ探しは旅の後半にとっておきましょう。
旧市街の山の手「トーンペアの地区」には、高さ50.2メートルの塔「のっぽのヘルマン」トーンペア城(Toompea loss)アレクサンドル・ネフスキー大聖堂(Aleksander Nevski katedraal)やタリン最古の教会 聖母マリア大聖堂(Cathedral of St. Mary the Virgin)キーク・イン・デ・キョク(Kiek in de Kök)など見所いっぱい。北のトーンペアの丘にすすめば、絶景ポイントのパットクリ展望台コフトウッツァ展望台があります。展望台から見下ろす、世界遺産の美しすぎる街並み。その向こうには青いバルト海が広がっています。

(タリン旧市街の最高の撮影スポットは、トーンペアの丘の2つの展望台と、反対側の下町にそびえる聖オレフ教会(Oleviste Kogudus)の塔の上。このページの一番上の大きな写真は、聖オレフ教会から撮影したタリン旧市街の街並みです。トーンペアに建つ大聖堂やのっぽのヘルマン、右側の断崖には展望台も見えます)

2016.6. update.

Olde Hanza

オルデハンザと カタリーナ・ギルド

中世の都へタイムトリップ。おとぎの国で、心はすっかり中世の色に染まっているから、できればお腹も、そんな感じで満たされたい。
タリン旧市庁舎の東には、中世のエストニアをテーマにした人気のレストラン オルデハンザ(Olde Hanza)があります。むかしの商人の館を改築した店内は、ハンザ同盟都市として栄えた15世紀のエストニアが舞台となっています。中世の衣装に身を包んだスタッフがおもてなし。伝統的なエストニア料理は、素材や作り方にいたるまで当時を忠実に再現しているのだとか。ヘラジカやクマの肉料理、ハチミツビールやハーブビールを、ロウソクの明かりでいただきます。
ラエコヤ広場からヴェネ(Vene)通りを数分歩けば、タリンで最も中世を感じられる場所、聖カタリーナの小径(St. Catherine's passage)があります。石造りの壁とアーチ形の柱がかけられたカタリーナ通りには、カタリーナ・ギルド(Katarina Gild)と呼ばれる8つのスタジオ兼ショップがあり、中世のままの小部屋をアトリエにして、ガラス、陶芸、編み物などのエストニア伝統の工芸品がアーティストたちの手によってつくられています。1点もの作品を買うことも、職人の技が光る作品の制作風景を見学することもできます。

歩けば歩くほど好きになるタリン。迷路のような石畳の小径で迷うたび、間違えた道さえ好きになるタリン。帰りのフェリーの時間まではまだあと少し。もっと話したいことはたくさん。タリンの旅は後編へつづきます。

2016.6. update.

Eesti Vabariik

エストニアについて


エストニア共和国

バルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)の中で最北に位置し、東はロシアと国境を接し、西はバルト海とフィンランド湾に面した共和国。人口約132万人。中世にはハンザ同盟都市として栄えました。歴史的建造物が保存された首都タリンの旧市街は、世界遺産『タリン歴史地区』に指定されています。
>> エストニア共和国について

◇首都=  タリン(Tallinn)/人口約42万人
>> エストニア・タリン 地図


ことば
公用語はエストニア語ですが、タリンではみんな英語も話せます。
フィンランドと違い、日本語スタッフや日本語メニューはありません。

2016.7. update.

Travel Information

エストニアの基本知識


時差

日本との時差はマイナス 7時間。サマータイムのときはマイナス 6時間。
フィンランドとは時差なし。スウェーデン・デンマーク・ノルウェーとは、1時間の時差があるため移動の際は注意しましょう。

タリン 夏の平均気温(℃)
5月 / 9.9 ℃    7月 / 16.7 ℃
6月 / 14.3 ℃  8月 / 15.6 ℃
>> タリン 今日の天気

通貨
・ユーロ(EUR)
・略号は€ (EURO、EUR)
・補助単位 セント(CENT) €1=100CENT
・1ユーロ=1 = 約 115円
 (※2016年7月 現在)
※通貨はフィンランドと同じユーロ。物価はフィンランドよりも安いです。

2016.7. update.

Flight & Ferry

フライト・フェリー


飛行機・フライト

日本からエストニアへの直行便はないので、ヘルシンキなどヨーロッパ都市にて乗り換えが必要。飛行時間は約12.5~16時間程度。

フェリー
ヘルシンキ(ストックホルム)からタリン行きのフェリーが出ています。
<ヘルシンキ〜タリン間>
タリンクシリヤライン/片道 約2時間
ヴァイキングライン/片道 約2時間
リンダライン/高速船・片道 約1時間30分

【タリン 日帰り旅行スケジュール】
▶ ヘルシンキ・西ターミナル 7:30発
(Tallink Star/タリンク・スター号)
→ タリン港 Dターミナル 9:30着
〜タリン旧市街 観光(7時間滞在)〜
▶ タリン港 Dターミナル 16:30発)
→ ヘルシンキ・西ターミナル 18:30着

2016.7. update.

エストニア観光局

Visit Estonia

エストニア観光局の公式サイト
http://www.visitestonia.com
エストニア観光局公式日本語 FBページ
https://www.facebook.com/estonia.jp

タリン 観光ガイド

Visit Tallinn

エストニア・タリンの観光案内公式サイト。日本語版もあります。
https://www.visittallinn.ee/jp

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